原油供給をめぐるサウジとUAEの対立により、OPEC会合が延期へ
UAEアラブ首長国連邦とサウジアラビアが原油供給をめぐり対立したことから、OPEC石油輸出国機構とOPEC外産油国の戦略を検討する予定だったOPECプラス会合が2日後に延期されました。
ロイター通信によりますと、OPEC筋は2日水曜、「サウジアラビアは、世界市場での産油量の削減をめぐりUAEと見解が対立したことで失望したため、OPEC合同監視委員会から身を引いた」としています。
こうした問題により、サウジアラビアのアブドルアジズ・ビン・サルマン・エネルギー大臣は、OPEC石油相合同監視委員会の副委員長のポストから身を引きました。
それにより、このポストの後任としてUAEが打診を受けましたが、同国はこれに前向きな返答を示していません。
ロイター通信が、そのほかの筋の話として報じたところによりますと、UAEは、余剰生産量のある国は産油・供給量の削減に関する以前の合意内容を遵守すべきであり、彼らはすでに余剰石油生産から得ていた収入の減少を事前に相殺しているべきだったと考えています。
サウジアラビアは先月30日、OPEC会合にて同組織の加盟国に対し、減産期間として検討されている期間を3ヶ月間延長するよう求めました。
この報告によりますと、OPECとそれ以外の産油国で構成されるOPECプラスの主要国は依然として、産油枠をめぐり内部対立を抱えています。
こうした中、世界での原油購買・需要は新型コロナウイルス蔓延のため減少しています。
前代未聞の規模での原油の値下がりにより、サウジアラビアをはじめとする世界の主な産油国は、原油価格競争でのより多くの利益獲得という夢を打ち砕かれた上、これ以上の損失を阻止するための早急の石油の減産へと軸足を移すことを迫られています。
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