根拠なき疑惑;ベネズエラの架空カルテルをテロ組織認定するトランプ氏の真の目的とは?
https://parstoday.ir/ja/news/world-i130534-根拠なき疑惑_ベネズエラの架空カルテルをテロ組織認定するトランプ氏の真の目的とは
ドナルド・トランプ米政権が南米ベネズエラへの圧力を強める中、同国の「カルテル・デ・ロス・ソレス」をテロ組織に指定したことに対し、アメリカの複数の専門家から反発と懸念の声が上がっています。これらの専門家は、この行動が現場の実態に基づくものではなく、ベネズエラのマドゥロ政権に対する軍事作戦の下地を作る可能性がある、との見方を示しています。
(last modified 2025-11-19T06:02:01+00:00 )
11月 19, 2025 14:25 Asia/Tokyo
  • ベネズエラ近海の米ミサイル駆逐艦USSグレーヴリー
    ベネズエラ近海の米ミサイル駆逐艦USSグレーヴリー

ドナルド・トランプ米政権が南米ベネズエラへの圧力を強める中、同国の「カルテル・デ・ロス・ソレス」をテロ組織に指定したことに対し、アメリカの複数の専門家から反発と懸念の声が上がっています。これらの専門家は、この行動が現場の実態に基づくものではなく、ベネズエラのマドゥロ政権に対する軍事作戦の下地を作る可能性がある、との見方を示しています。

アメリカでは、トランプ政権がベネズエラへの圧力を強める中、カルテル・デ・ロス・ソルズを外国テロ組織に指定するか否かの問題が再び大きな争点となっています。この問題が浮上したのは、マルコ・ルビオ米国務長官が「ベネズエラの一部政府高官と軍関係者によって結成されたというこのネットワークを米国国務省はテロ組織に指定する」と発表したことを受けてのことです。

【ParsToday国際】イラン学生イスナー通信社によりますと、トランプ政権は「麻薬密輸撲滅」を名目にカリブ海への派兵と海軍作戦を強化していますが、米国の元政府高官や安全保障専門家は、「カルテル・デ・ロス・ソレス」は典型的なカルテルの構造を持たず、一貫性のある階層的な組織とさえ言えない」と警告しているとともに、「こうした名称は麻薬密輸に関与する散財的な個人集団を指す言葉として使われており、そのようなカルテルの存在自体を疑問視する声さえ上がっている」と指摘しています。

国際紛争を専門とするシンクタンク「国際危機グループ(ICG)」のブライアン・フィヌケイン (Brian Finucane)氏などの専門家によれば、こうした決定は政治的な手段という側面が強く、アメリカがベネズエラに存在するマドゥロ大統領のインフラや資産を狙うことを可能にする可能性があるということです。

元米国政府高官の1人も、「件のカルテルに関する情報は多くが不完全で信頼性に欠け、主張の一部は完全な政治色を帯びている」と主張しています。

米州における組織犯罪研究を目的とした米シンクタンク、インサイト・クライム(InSight Crime )は、1990年代にこの用語が形成された経歴に言及し、「カルテル・デ・ロス・ソレス」と呼ばれるものについて、「密輸ネットワークに協力する軍隊内の分散した組織の集まりであり、メキシコやコロンビアのカルテルのような組織ではない」との見解を示しています。

最終的に、アナリストらはこのネットワークのテロ組織認定を、単なる安全保障上の措置ではなく、圧力強化およびマドゥロ大統領の本格的な弱体化、さらには解任を狙った軍事行動の下地作りという、トランプ大統領の戦略の一環だと考えています。

 


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