独国防省に対する米の諜報活動が発覚
4月 27, 2023 18:51 Asia/Tokyo
米国防総省からの最高機密文書が明るみに出たことで、アメリカの諜報機関がドイツ国防省に対し諜報活動を行っていたことが発覚しました。
ドイツの週刊紙ディー・ツァイトとARDドイツ公共放送は、提供された機密文書を論拠とし、アメリカの諜報機関が去る2月20日にドイツ国防省の代表者と中国の代表団の会合を諜報・偵察したと報じました。
ドイツ当局は、現在この件について調査中であるとしています。
漏洩したこれらの文書に基づいて、ドイツ国防省の代表は、同国ベルリンでの会議において中国の代表団に対し、「中国が不透明な行動をとっているうちはさらなる防衛分野での協力は不可能である」と強調しました。またこの会議では、ウクライナ戦争、台湾問題、国連への支持などの問題が議論されました。
ディー・ツァイトによりますと、漏洩した文書からは、米国の諜報機関がこの情報をどこで入手したか、またどの当局者がその責任を負っているのかは明らかになっていません。
ドイツに対するアメリカのスパイ行為には長前例があり、米国家安全保障局が10年以上前に在ベルリン米大使館を通じてドイツ首相の通話内容を傍受していたことが、2013年に明らかになりました。
当時、ドイツの週刊誌シュピーゲルは、メルケル前首相が2002年以来、つまり彼女がドイツ首相に就任する前から、米国家安全保障局の諜報・傍受の標的リストに載っていたと報じました。
メルケル氏は、2000年にドイツのキリスト教民主党の党首になり、2005年にドイツ首相に就任しました。