国連が、グアンタナモ収容所での米の非人道的行為認める
国連の人権問題特別報告者が、グアンタナモ収容所に関する最初の報告において、収容者30人が「残忍、非人道的、かつ屈辱的な扱い」を受けていたと認めました。
2001年の米同時多発テロを受けて翌年に開設されたグアンタナモ収容所には、2022年9月までに合わせて48か国780人の囚人が収容されており、現在も運用が続けられています。
米ニュースサイト・Axiosによりますと、国連の人権問題特別報告者であるFionnuala Ní Aoláin氏は報告書において、アメリカ政府に対して、グアンタナモ収容所にいる人々の法的処遇をできるだけ早く決定した上で、このような行為を二度と繰り返さないよう求めました。
開設以降の21年間で初めて国連関係者が視察した後に出されたこの報告書では、グアンタナモにいる収容者がそれぞれ、尋問、拷問、恣意的な拘禁などの際に加えられて苦しめられていたことが指摘されました。
同氏さらに、「グアンタナモ収容所を含むいくつかの場所での組織的な尋問や拷問は、米同時多発テロの容疑者にたどりつく上で最も大きな障害になっている」と続けました。
公表された報告書によれば、当時のアメリカ政府高官らは、CIA米中央情報局による収容者の一人の拷問を認識しており、この囚人が当局に協力的であったにもかかわらず、拷問を続けることを主張しました。
米同時多発テロ発生当時にブッシュ政権の副大統領を務めていたディック・チェイニー氏、ホワイトハウス国家安全保障問題担当補佐官だったコンドリーザ・ライス氏、CIA長官だったジョージ・テネット氏らは、アルカイダの一員であるアブズベイダ容疑者が当局に協力していたにもかかわらず、それを知った後も拷問にゴーサインを出し、その虐待行為を続けました。
世界で最も悪名高い収容所となっている、グアンタナモ湾に位置するこの収容所は、アメリカの4代の大統領にわたって人権侵害行為の象徴となってきました。