国連事務総長、「安保理は改革されるべき」
アントニオ・グテーレス国連事務総長が、米ニューヨークで行われている第78回国連総会の冒頭で、国連安保理を含む国際機関の構造改革を求めました。
グテーレス事務総長はニューヨーク時間の19日火曜、「安保理は今日の世界状況に沿って改革され、国際金融構造も刷新される必要がある」と述べました。
そして「国際機関の構造改革に注意が向けられなければ、対立や紛争を助長することになるだろう」とし、「国際金融機関は本当の意味で、発展途上国の経済問題の解決に寄与できるような世界的組織にならなければいけない」としています。
さらに、世界のAI人工知能拡大を監視するため、IAEA国際原子力機関のような国際専門関を創設し、全ての諸国へ報告提出を義務づけるべきだとしました。
続けて、「世界には問題が山積しており、我々はそれらに対処できていないように見える」と述べています。
グテーレス氏はこのほかにも、気候変動問題の緊急対処に向けた措置および、発展途上国へクリーンエネルギー利用のための資金源を準備するよう求めるとともに、「我々の暮らす地球は暑くなりすぎている」としました。
そして、「主要20か国・地域グループは、温室効果ガス排出量全体のうち80%に責任がある」とし、「これらの諸国は化石燃料の使用を止めるべきだ」と強調しました。
また、「ウクライナ戦争は大きな結果を伴う。核の脅威は我々を危険の淵に追い込んでおり、国際協定を無視すれば、我々の安全がすり減ることになる」と語りました。
そのうえで、ウクライナ戦争の終結に向けた努力を求めています。
さらに、アフリカ大陸についても「クーデターはアフリカや地域を脅やかしている」と述べました。
グテーレス事務総長によれば、アフガニスタンでは現在、総人口のうち70%が人道支援を必要としているほか、成人女性や未成年女子の権利が組織的にないがしろにされているということです。
グテーレス氏は最後に、ミャンマーについても、同国で依然として残忍な暴力行使や貧困・弾圧の悪化が絶えず、民主主義回復への希望がなくなってきていると指摘しました。