エジプト人評論家、「イランは独立した決定によりアラブ世界で特別な地位築いた」
エジプトの著名な評論家兼ジャーナリストであるアブドッラー・スィナ―ウィー(Abdullah Al-Sinawi)氏が、「イランは、西側諸国の圧力にもかかわらず独立した決定を下し、アラブ世界で特別な地位を築いた」と述べました。
パールストゥデイによりますと、スィナ―ウィー氏はエジプトのウェブサイトとのインタビューにおいて、「長年パレスチナ問題に同情し、現在もパレスチナの抵抗や昨年10月の対シオニスト攻撃「アクサーの嵐」作戦に共感しているアラブの人々の目に、イランのより良いイメージがやきついたことは、疑うべくもないだろう」と述べました。
続けて、「イランは、アクサーの嵐作戦の中で、また最近の独自の政策により、アラブ世界において特別な地位を確立した。なぜならイランは、自国の決定を自分自身でコントロールできる、西アジアでほぼ唯一の国だからだ」と強調しました。
また、「イランの政策は、2つのアプローチが基盤となっている。ひとつは米国およびイスラエル政権との戦いというアプローチであり、もうひとつは、パレスチナ問題を直接支援するというアプローチである。このようなアプローチは、アラブの統治者の間には存在しない」と指摘しました。
さらに、「私の見たところ、イスラエル政権との戦争で抵抗勢力側の勝利を望んでいるアラブの国はひとつもないと思う」としました。
一方、イランとエジプトの関係について触れ、「エジプト、トルコ、イランは地域の3大諸国であり、好む・好まざるにかかわらず、地域の均衡から互いを遠ざけることは不可能である。このことが意味するのは、(これらの国が互いの)違いに目をつむるということではなく、むしろそれを少なくする方法を探すということだ」としました。
さらに、故ラーイースィー・イラン前大統領の在任中に同国とエジプトとの関係が変化したことに言及し、「今こそ、二国の関係を正常に戻すべき時だろう。なぜならこのことは、既存および今後のあらゆる問題を少なくする機会をアラブ世界に作ることになるからだ」としました。
そして、「(事態の)収斂が起きる望みはある。これは、イランとエジプトにとって必要なことと言える。しかし収斂は、短い期間ではエジプトが自国の決定への支配を完全に手中にするには至らず、可能にはならない。それがイスラエル政権と米国に平手打ちを加えるようなものである間は、特にそうだ。さらに、エジプトの決定に影響を与える同国の現在の経済危機の間も不可能だろう」と述べました。
イスラエル政権は、昨年10月7日より西側諸国の全面的な後方支援を受けた上で、パレスチナのガザおよびヨルダン川西岸で、身を守る術を持たないパレスチナの人々に対する大規模な虐殺を新たに開始し、これまでに4万人以上を殉教、9万2000人以上を負傷させています。
イスラエル政権という構造は、英国の植民地主義の設計及び、さまざまな国からのパレスチナへのユダヤ人移民を通じて1917年に確立され、その存在は1948年に宣言されました。同政権はそれ以降、パレスチナ人の虐殺と彼らの全領土の奪取を目的に、さまざまな大量殺害計画を実施しています。
イランをはじめとした多くの国々は、イスラエルという植民地主義政権の解体およびユダヤ人の元の国への帰還を、真剣に支持しています。