米国の影響力衰退と中国の台頭:アジアは新体制に向かっているのか?
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ニュースサイト「クレードル」が分析記事の中で、アジアにおけるインドとイスラエルの影響力の低下、そしてこの地域におけるアメリカの覇権の衰退について論じました。
(last modified 2025-08-10T09:24:13+00:00 )
8月 06, 2025 19:04 Asia/Tokyo
  • 米国の影響力衰退と中国の台頭:アジアは新体制に向かっているのか?
    米国の影響力衰退と中国の台頭:アジアは新体制に向かっているのか?

ニュースサイト「クレードル」が分析記事の中で、アジアにおけるインドとイスラエルの影響力の低下、そしてこの地域におけるアメリカの覇権の衰退について論じました。

【ParsToday国際】米国はアジアにおけるインドとイスラエルの役割への支援に関心を持ってきましたが、最近の地域情勢はこうした支援が緊急事態には全面的なものにはならないことを物語っています。

西アジア専門のニュースサイト「クレードル」によると、今年1月にトランプ政権が始動した際、インドのモディ首相はトランプ氏の就任式典に出席し、米国との関係強化とインドでの「クアッド(日米豪印4カ国による安保枠組み)」首脳会議へ招待するなど、対米関係の強化を期待していました。

しかし、5月にパキスタンとの軍事衝突が起きた際、トランプ氏が仲介を提案したもののインド側がこれを完全に拒否したため、両国間の信頼は損なわれました。トランプ氏はその後、パキスタン軍のトップをホワイトハウスに招き、石油取引の促進やパキスタンの対米輸出関税を引き下げるなど、インドに対する当て擦りにも見える行動に出ました。

この戦略的転換はインド製品への25%の関税、インド製医薬品への200%の課税といった関税賦課と相まって両国間の関係悪化を招くこととなり、インドとイスラエルはもはやアメリカがアジアで期待していたような重要な勢力ではなくなっています。対照的に、中国は目立たないながらも影響力を持つ存在として、徐々に力関係を自国に有利な方向へとシフトさせつつあります。

西側諸国とアジアのアナリストらは、インドとパキスタン、そしてイランとイスラエル間という二つの大きな緊張が、米国・西側諸国主導の国際体制の基盤を揺るがしていると考えています。また専門家らの間では、第二次世界大戦後のルールに基づく国際体制はもはや機能不全に陥っており、その終焉が間近に迫るとともに、新たな多極的・多国間主義体制が出現すると予測されています。

中国は武器販売、インフラ投資、そしてイラン・パキスタンとの経済協力を通じて、直接的な軍事介入なしに地域的な勢力を拡大してきました。パキスタンはインドとの紛争中、中国の戦闘機とミサイルでインド機を複数撃墜したと主張しています。このアプローチ、そしてイラン・パキスタン間の新たな合意は、地域情勢がどのようにして中国に有利に変化しつつあるかを示しています。

総括すると、中国の外交的アプローチ、イランとパキスタンの柔軟・融通性、そしてインドとイスラエルに対する信頼の低下と相まって、アメリカの影響力に重大な挑戦を突きつける新たな多極的体制が形成されてきていると言えるでしょう。

 


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