西側諸国の犯罪を振り返る|中米グアテマラでの米による5000人の人体実験
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アメリカの科学の歴史を振り返ると、同国には人間に対する人種差別や差別的な風潮が存在し、アメリカ人研究者が人間、特に黒人や貧民らをラットのような実験動物として使ってきたことがわかります。
(last modified 2025-08-26T11:03:40+00:00 )
8月 25, 2025 18:13 Asia/Tokyo
  • グアテマラでの米国による非人道的な人体実験の犠牲者
    グアテマラでの米国による非人道的な人体実験の犠牲者

アメリカの科学の歴史を振り返ると、同国には人間に対する人種差別や差別的な風潮が存在し、アメリカ人研究者が人間、特に黒人や貧民らをラットのような実験動物として使ってきたことがわかります。

【ParsToday国際】「グアテマラの5000匹の実験用ラット」の物語は、中米グアテマラで起きた米国医学史における最も暗澹たる章の一つを象徴しています。しかも、これらの「実験用ラット」は実際には非人道的な実験の犠牲となった人間だったのです。

1946年から1948年にかけて、ジョン・チャールズ・カーター博士率いるアメリカ人研究者らは、グアテマラで性感染症に対するペニシリンの効果を調べる実験を行いました。彼らはこの実験において、5000人以上のグアテマラの囚人、路上生活者、精神病患者、兵士を性感染症に感染させ、ペニシリンがこれらの疾患の治療に及ぼす効果を研究したのです。人々は治療に対する身体の反応の研究を目的に、こうした人々は同意なしに梅毒や淋病などの疾患に意図的に感染させられました。この研究では、約1300人の囚人が実験の目的やその危険性を知らされないまま、さまざまな性感染症に感染させられています。この事件は、医学研究における人間虐待の歴史的な例の一つであり、後に医学倫理と人権の明白な侵害として認識されるようになりました。2010年にこの恐ろしい犯罪が暴露された後、当時のグアテマラ大統領アルバロ・コロンは、この実験を「人道に対する罪」と呼び、国際的な調査を求めたのです。

2011年、当時の米国大統領バラク・オバマ氏は、当時のグアテマラ大統領アルバロ・コロンとの電話会談で、これらの行為について正式に謝罪しました。しかし、これらの非人道的な実験の被害者への補償措置が取られなかったことから、多くの人の間ではこうした謝罪では不十分だと考えられていたのです。

グアテマラにおける人道に反した人体実験は医学史に暗い汚点を残しただけでなく、国際関係、特に米国と中南米諸国の間にも重大な影響を及ぼしました。2010年に実験が明るみに出た後、多くの中南米諸国は医療・科学協力分野における米国の真意に疑念を抱くようになったのです。

この不信感は、特に公衆衛生と人権に関連する分野で根強く残ることになりました。この事件をきっかけに、国際機関や人権機関は科学研究の倫理性により一層注意を払うようになってきています。また、ヒト研究におけるインフォームド・コンセントに関するより厳格な規制の策定を求める圧力も生じました。世界的に、これらの事実が暴露されたことで米国の科学的・倫理的イメージが大きく下がり、多くの国々が米国との科学・医学的交流により慎重さを期すようになりました。
 

 


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