トランプ大統領、アフガン・バグラム基地の奪還もくろむ
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アフガン・パルヴァーン州バグラム米空軍基地
ドナルド・トランプ米大統領が声明を発表し、同国がアフガニスタン・パルヴァーン州バグラムにある空軍基地の奪還を目指していることを明らかにしました。
ParsToday国際】トランプ大統領は今月18日、英ロンドン訪問の最後に同国のキア・スターマー首相と共同記者会見し「アフガンの現タリバン政権からバグラム空軍基地の管轄支配権を取り戻して、過去に物議を醸したアフガン撤退の際に失ったこの重要な戦略的資産を取り戻したいと考えている」と語っています。
また「この基地をアメリカ軍が再占領できるようタリバンと交渉中である。この基地はかつて、アフガン最大の米軍基地とされ、中国に近いことから地域の重要な基地とみなされていた」と述べました。
中国をめぐる米大統領の発言は、米中という両超大国間の関係を注意深く監視してきた西側同盟国の不安を掻き立てると思われます。その理由として、米中間の緊張の高まりはさらなる経済混乱、ひいては軍事衝突につながる恐れがあることによります。
トランプ氏はさらに「バグラムは世界最大の空軍基地の一つであり、我々はそれを彼らに無料で提供していたのであり、今は取り戻そうとしている」とコメントしました。
そして「タリバンが米国の支援を必要としており、米国もこの基地を欲しているため、アメリカはバグラム空軍基地の奪還を目指している。さらに誰もが知っているように、米国がこの基地を欲している理由の一つとして、中国が核兵器を製造している場所から1時間の距離にあることだ」と語りました。
加えて、2021年に物議を醸した米軍のアフガン撤退についてジョー・バイデン前米大統領を批判し、「撤退によって米軍の兵器や基地を含むその他の軍事資産がタリバンの手に渡ってしまった」と主張しています。
トランプ大統領は去る2月、再選後初の閣議で「以前のアフガン撤退計画では『我々がバグラム空軍基地を死守したかったのはアフガンのためではなく、中国が理由だった。なぜなら、そこは中国が核ミサイルを製造している場所からちょうど1時間の距離にあるからだ』」と述べていました。
加えて「バグラム空軍基地は世界最大級の規模を誇り、重厚なコンクリートと鋼鉄で造られた最大級の滑走路を擁し、爆撃機や大型貨物機の発着が可能な1万1800フィート(3600メートル)の滑走路を擁している」と指摘しました。トランプ大統領は当時、中国が同空港を占領したと主張しましたが、タリバン政権はこれを否定しています。
なお、タリバン政権のムジャヒド報道官は「バグラム空港は中国にではなくアフガン人によって管理されている」と述べました。