中南米諸国|「王」のカリブ海遠征/ブラジルで環境保護支持デモ実施
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世界最大の空母がベネズエラ近海に配備
NPR米公共ラジオ放送が、「米空母ジェラルド・R・フォードがカリブ海に入港し、南米ベネズエラに対する軍事行動の準備が進められている」と報じました。
NPRのウェブサイトは17日月曜、「トランプ現政権はカリブ海での軍事演習実施と全く同時期に、議会議員や外国首脳との高官級会談を行っている」と報じています。
【Pars Today国際】米国防総省の一部当局者は、「地中海からカリブ海へ移動したジェラルド・R・フォード級ミサイル駆逐艦の派遣は、警戒態勢を敷いているベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領に対する圧力行使のための手段に過ぎないかもしれない」と述べています。また一部のアメリカ議員は明確な根拠なしに、アメリカが対ベネズエラ戦争へと突き動かされていると警告しています。米上下両院の複数の議員は予てから、相談なしでのトランプ大統領の独断的な行動を批判していました。一方で最近において、全米核都市で市民らがデモを開催してトランプ大統領の政策に抗議し、「王にノー」というスローガンを叫んでいます。
メキシコで抗議活動が暴力化/警官100人が負傷
またその他の報道によりますと、今月16日にはメキシコ首都メキシコシティの路上に数千人の市民らが集結し、汚職、犯罪、無法に抗議しました。これらの人々は、麻薬関連の暴力やシェインバウム現メキシコ大統領の治安政策に反対するスローガンを連呼しています。こうした集会は当初は平和的だったものの、最終的には一部の抗議者が警察と衝突し、警官らが石、焼夷弾、棒、鎖などの襲撃を受けました。メキシコシティ警察署長のパブロ・バスケス氏は、抗議参加者20人の逮捕を発表し、負傷者は警察官100人と抗議参加者20人を含む120人に及んだことを明らかにしています。注目すべきは、シェインバウム大統領は2024年10月に就任し、70%の支持率を誇っている一方で、メキシコ国内で一部の要人が殺害された事件を受け、同大統領の治安政策に対する批判が高まっていることです。こうした人々の一人に、ミチョアカン州ウルアパン市の市長カルロス・マンソ氏がおり、彼はウルアパン市における麻薬密売組織との戦いの主戦力の一人とされています。
ブラジルで数千人の環境保護活動家が抗議活動
メキシコから少々離れたブラジル北部ベレン市では16日日曜、数千人の環境保護活動家が平和的なデモを行い、化石燃料産業と政府の政策に反対を表明するとともに、地球を守るための実践的な対策を求めました。このデモは、国連気候変動枠組条約第30回締約国会議(COP30)の開催時期と重なっています。これに先立ち、先住民の抗議活動家たちが気候変動会議会場への立ち入りを試みましたが、これは治安部隊との衝突に発展しました。また今月14日には、会議場への立ち入りを遮断するため封鎖措置がしかれています。
チリ大統領選、来月決選投票へ
チリの大統領選では、与党共産党のジャネット・ハラ候補(51)と極右共和党のホセ・アントニオ・カスト候補(59)が、来月の決選投票に進むことになりました。決選投票は12月14日に予定されています。中南米アナリストのグスタボ・ボルヘス氏は、今回の選挙が「チリ左派にとって過去50年間で最大の敗北の一つ」となる可能性があるとの予測を示しました。なお、この選挙の当選者は2026年3月11日から4年間の任期でチリ大統領を務めることになります。

