OPECの決定の是非
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OPEC石油輸出国機構が、減産で合意し、日量3250万バレルに削減しました。
(last modified 2025-08-16T09:55:59+00:00 )
9月 29, 2016 19:45 Asia/Tokyo
  • OPECの決定の是非

OPEC石油輸出国機構が、減産で合意し、日量3250万バレルに削減しました。

アミーンザーデ解説員

この決定は、アルジェリアで行われた4時間にわたるOPEC石油・エネルギー相会合の後に下されたものです。この会合は、同じくアルジェリアで開かれていた国際エネルギーフォーラムの会合の終了後まもなく開催されました。イランのザンゲネ石油大臣は、この会合の終了後、OPECの決定は例外的な決定だとし、「OPECは2年半を経て、市場管理に関して一致した」と述べました。

2008年以来、OPEC加盟国は初めて生産量に関して合意しました。一部の専門家は、「サウジアラビアの市場での単独行動が衰退し、世界最大の産油国は、現在、OPECで長年果たして来た役割をイランにゆだねた」と述べています。

サウジアラビアは2014年11月、OPECに生産枠を増加させました。OPECの規定以上の生産により、原油の国際価格は高騰しました。当時のサウジアラビアのナイミ石油相は、この政策を採った1ヶ月後に、「遅かれ早かれ、ライバル国は財政問題に直面し、サウジアラビアは長期にわたり、こうした状況に耐える力を有している」と述べていました。しかし、およそ2年が経過し、減産に関する話し合いに応じようとしていなかったサウジアラビアは、現在アルジェリアの会合で、自らの産油量を日量1070万バレルから1020万バレルに削減することを受け入れました。

サウジアラビアの経済成長は現在急速に停滞し、1%となっています。こうした中、イランの経済成長は急速に伸び、4%に達しています。サウジアラビアは今年、2桁という大幅な財政赤字に直面していますが、イランの貿易額はほぼバランスが取れています。サウジアラビアほど石油収入に依存していないイランは、核合意後の現在、経済の展望を改善しています。

こうした中、サウジアラビアは、合意が問題解決の鍵だであることを知っています。サウジは現在、過去の道を引き返す用意があるというシグナルを送っていますが、この合意を持続するには、OPECの加盟国と非加盟国の協力が必要です。2つの要素がこうした決定の持続を促すことが出来るでしょう。一つはOPECは団結を必要としているという事実を受け入れること、もう一つはアルジェリアの決定に対する石油の国際市場の肯定的な反応です。国際市場が今回の決定を受け入れれば、産油国の間で市場安定への更なる確信が生み出されるでしょう。

このためこの段階でのOPECの生産枠の管理が、OPECの加盟12カ国にとってよいことなのか悪いことなのかについては、この合意がある程度一時的なものであることから、OPECの一部加盟国はこの合意に反対したものの、OPEC内に連帯や統一を作り出すためという意味では正しい決定だった、というべきでしょう。このためイランもこの決定に反対する行動をとらないことを決めたのです。

現状において、イランなどのOPECの一部産油国は以前の生産量を取り戻していません。一方でこの2年でサウジアラビアなど一部の国は増産し、他の国の配分を奪っていたのです。