アメリカ大統領選挙費用との、嘘のような単純な比較（２３）

今月行われるアメリカ大統領選挙に向けて、共和党のトランプ候補と民主党のクリントン候補が得票目的に拠出した費用は、アメリカのホームレスのおよそ６年分の医療サービス予算をまかなえる金額です。

ホームレス問題は、アメリカの大きな社会問題の１つです。エンド・ホームレスという団体が、２０１４年１月に公表した統計によりますと、アメリカではおよそ５８万人のホームレスが存在するとされています。

今年のアメリカ大統領選挙で、民主・共和両党の候補者が選挙運動のみに拠出した最終的な金額は、合計で２１億ドルとなり、これはアメリカ政府が２０１６年に同国内のホームレス向けの住居２万５５００戸を建設する費用額となります。アメリカ政府の２０１６年の予算計画によりますと、これらの人々への住居を建設するために、１億７７００万ドルが充当されています。

トランプ候補とクリントン候補が拠出した大統領選挙での選挙費用の合計額は、過去１１年間以上に渡るホームレス向け住宅の建設予算に等しい金額です。この２人が大統領当選を目指して拠出した費用で、２０１６年にアメリカ政府が算出した、アメリカのホームレスの子供たちのための３２年分の予算をまかなえることになります。今年の１０月１９日までに拠出されたアメリカ大統領選挙の候補者らによる選挙費用は、アメリカ政府が同国のホームレスやストリートチルドレン向けの住宅を確保するために拠出した、１８年半分の予算に相当します。

トランプ候補とクリントン候補が拠出した選挙費用で、アメリカのホームレスの６年間分の医療サービス費をまかなえることになるのです。