韓国大統領候補によるＴＨＡＡＤ配備反対

韓国の3人の大統領候補が、自らの見解を提示し、政党の目標に達しようと努力している一方で、韓国の世論は別の問題を追求しています。

ガッファーリー解説員

韓国次期大統領選の有力候補の1人とされるソンナム市のイ・ジェミョン市長は、アメリカの迎撃ミサイルシステムＴＨＡＡＤの配備に反対していると表明しました。同市長は、「ＴＨＡＡＤ北朝鮮の核やミサイルの脅威を抑制するための適切な手段ではない」としました。さらに、「アメリカはこの配備により、安全を確保するのではなく、韓国を問題に直面させるだろう」と語りました。

パン・ギムン氏も、大統領選挙の候補の1人です。彼は、10年間、国連事務総長をつとめ31日に退任しましたが、それはさておき、韓国の人々からそれほど歓迎されていないようです。パン氏は、韓国の外務大臣を勤めていた機関、北朝鮮との関係においてそれほど成果を挙げていませんでした。さらに重要なのは、パン氏は不正資金問題で追及されており、もしこの罪が明らかになれば、おそらく彼は選挙で勝つことは出来ないでしょう。

三人目の候補は、大統領権限を代行するファン・ギョアン首相です。彼はＴＨＡＡＤに反対するイ・ジェミョン市長とは異なる見解を有しています。同首相は、「ＴＨＡＡＤ配備は必須であり、北朝鮮の脅威に対する防御壁である」と述べていますが、この中で彼の落ち度と見られるのは、パククネ大統領の職務権限停止につながった不正資金問題です。

韓国の人々はパク大統領の裁判を待っていますが、憲法裁判所などはこれに関して措置を講じていません。

おそらく韓国の政府高官の不正資金問題は忘れ去られたとは断言できないでしょうが、二人の大統領選挙の候補による見解の提示は、不正資金問題の影を薄れさせると共に、世論の更なる好奇心や追及にさらされています。政治問題の専門家は、韓国の状況はまったく日本に似ているとしています。どちらの国も東アジアにおけるアメリカの防衛・安全保障の同盟国であり、日本や韓国ではめったにアメリカとの安全保障関連の見解の見直しが提示されません。大統領選挙の候補に名乗りを挙げているＴＨＡＡＤに反対する市長は、選挙の際に人々の感情を利用しようとしています。

ＴＨＡＡＤ配備に賛成する首相や他の候補は、人々にありのままの事実を知らせ、偽りの説明を社会に伝えないようにしています。これらの二人の候補が、どのように言葉を行動に移すのかを見るべきでしょう。その上で、最終的な判断は韓国の人々の投票にゆだねられるのです。