中国とアメリカの対立の展望
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今週木曜、アメリカのトランプ大統領と中国の習近平国家主席が、フロリダで会談する中、安全保障や貿易など様々な問題に関する両国の対立が拡大しています。この問題について、IRIBヴァガーリー解説員は次のように語っています。
(last modified 2025-08-16T09:55:59+00:00 )
4月 03, 2017 18:01 Asia/Tokyo
  • 中国とアメリカの対立の展望

今週木曜、アメリカのトランプ大統領と中国の習近平国家主席が、フロリダで会談する中、安全保障や貿易など様々な問題に関する両国の対立が拡大しています。この問題について、IRIBヴァガーリー解説員は次のように語っています。

安全保障問題に関して、中国国防省は、韓国におけるアメリカのミサイルシステムTHAADの配備に抗議し、この計画の実行は東アジアや北東アジアの治安を乱す原因になるとしました。このミサイルシステムは韓国の首都ソウルの南東'300キロのところに配備されます。

貿易問題に関しても、中国はアメリカに対して、国際貿易法を尊重し、他国との協力を改善するよう求めました。中国商業省の報道官は、「アメリカの貿易に関するあらゆる措置は、国際貿易法に従うべきであり、両国の貿易面での対立や相違は適切に解決されるべきだ」と強調しました。

これに加えて、中国は、ベトナム、フィリピン、台湾といった南シナ海の一部の国との対立に関するアメリカの介入に抗議しています。

アメリカのトランプ大統領は、大統領選挙期間中に、中国を標的にした宣伝を行い、現在実際に行動でも、アメリカの最大の問題は中国の経済成長と軍事力の拡大だと見ていることを示しています。このためアメリカは南シナ海の問題への介入と韓国におけるミサイルシステムの配備を加速させています。

経済問題においてもトランプ氏のアメリカの財政赤字の要因に関するダブルスタンダードの指示により、中国政府はアメリカが中国の輸出にマイナスの影響を及ぼす行動をとるのではないかと懸念しています。なぜならトランプ氏はこれらの指示の中で、アメリカの政府系機関に、貿易法において不正をしている国々を特定するよう求めており、中国やEUの一部の国がこれらの国に相当すると見られているからです。

将来、アメリカの優位を崩すと見られている中国への対応に関して、二つの見解が存在します。一部では中国をアメリカの競争相手であると同時に戦略的同盟国と見なす人もおり、彼らは中国との協力継続を強調しています。もう一つは中国をアメリカの優位を脅かす危険な戦略的ライバルとする見方で、中国をけん制することを強調しています。オバマ政権時代に、こうした見解がアメリカの地域政策になっていましたが、トランプ政権時代には完全にこの国の政策は中国の全面的なけん制に向かっています。中国はこうしたアプローチは、両国の利益のみならず、世界経済の安全を脅かすものだとしています。なぜならトランプ氏は、実際に、「一つの中国」といった方針に対するアメリカの責務を遂行していないばかりか、一方的な立場をとり、アメリカの利益になるようそれらを変更しようとしているからです。

中国とアメリカの首脳会談を前にしたアメリカの経済、安全保障面での中国に対する圧力は、トランプ氏が中国に有利な利権を与えさせようとしていることを示しています。日本の安倍総理大臣も最近のアメリカ訪問で、投資を誘致する提案を提示し、トランプ氏の支持を取り付ける上で効果的なものだったと言われています。こうした中、中国政府の中国侵略政策に対する断固とした立場は、中国への圧力行使においてトランプ氏の期待が満たされることはないことを示しています。中国はアメリカとさまざまな問題において協力を強調していますが、これはアメリカの優勢を崩す可能性があるのです。