ラスベガスの乱射事件による悲劇
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ラスベガスの乱射事件
テロ組織ISISであれ、狂気に見舞われた老人であれ、アメリカの現代史に最大の大量殺人を行うものは誰でも、特定の機会を活用しており、またアメリカでは、本を買うより安く、そして簡単に銃が買えることによります。
アメリカ・ラスベガスの大量殺人は、ISISの攻撃であれ、残虐な犯罪者による無差別殺人であれ、今後も繰り返されることになるでしょう。なぜなら、このような事件の発生の下地は、アメリカ社会に存在するからです。

もし、少なくとも60人が死亡したラスベガスの乱射事件に関与したというISISの主張が証明されれば、これは、アメリカが新たにテロ攻撃にさらされていることを示しています。この問題は、今回の事件が犠牲者の数の点で以前のテロ攻撃とは比較にならないこととは別に、現在アメリカ政府が取っている安全対策はまったく効果がない、ということを物語っています。アメリカのトランプ大統領は、安全確保を理由にし、外国人やイスラムに対する嫌悪感をあおり、外国人や移民、または難民の流入を妨げようとしています。

確かに、ラスベガスの銃乱射事件へのISISの関与が証明された場合、アメリカで外国人排斥の新たな波が起こり、トランプ大統領にとって、特にイスラム教徒に対する反移民・外国人排斥政策を実施するのに、好都合な機会が生まれる、という点も注目に値します。

しかし、もしアメリカ政府が、最終的にISISの関与を否定しても、再びアメリカで見られる現象が発生することになります。この現象は、アメリカ社会特有のものであり、この中で、犯罪者は、個人的にまったく恨みのない人々に銃を向けます。実際、無差別殺人の犯罪者は、他人を殺害するためだけに銃を撃ち、最終的に自殺します。彼らにとっては、小さな子供もストリートライブの参加者も違いはないのです。実際、加害者も被害者も、アメリカの暴力的で抑制のない文化と、銃の所持の自由の犠牲者なのです。
アメリカは、憲法で武器の所持を認め、その規制を憲法違反とみなす世界で唯一の国です。アメリカの銃の製造と販売で莫大な金額が回り、その一部は選挙資金として一部の政治家の懐に入るとともに、銃の所持に関する法律を変えるのは、困難なこととなっています。
こうした中、ラスベガスの殺人事件は、単独犯であれ、組織的犯行であれ、最後のアメリカの悲劇にはならないでしょう。死者60人、負傷者520人以上が出るような、恐ろしい事件が後にも発生する可能性があるのです。