イタリア新首相にマリオ・ドラギ前ECB総裁 閣僚人事を発表
イタリアの次期首相に指名されたマリオ・ドラギ前欧州中央銀行(ECB)総裁は12日、指名を受諾し、左右両派からなる次期内閣の閣僚人事を発表しました。
米CNNによりますと、閣僚候補の顔ぶれは、ほぼあらゆる問題で対立する各党の支持を取り付けるべく選出されました。ただ閣僚候補23人中、女性は8人だけで、国内から失望の声が多く上がることが予測されます。
反既成政治を掲げる「五つ星運動」のルイジ・ディマイオ氏は外相に留任する見通しで、左派政党「自由と平等」のロベルト・スペランツァ保健相も留任するとみられています。
財務相には中央銀行イタリア銀行の幹部、ダニエレ・フランコ氏が起用されます。
このほか、元メディア王であるシルビオ・ベルルスコーニ氏の政党「フォルツァ・イタリア」から3名、過去に反移民や反欧州連合(EU)の立場を強く打ち出したマッテオ・サルビーニ氏が率いる右派政党「同盟」からも3名が閣僚に選ばれました。
サルビーニ氏はテレビインタビューで、ドラギ政権に加わる理由を説明し、「たとえ過去に立場を異にした人々と協力することになろうと、国民は私に問題解決を求めている」と述べました。
ドラギ氏自身は現在、どの政党にも属していません。ECB総裁時代には欧州債務危機からユーロ圏を救い、「スーパー・マリオ」の異名を取りました。欧州復興基金から2090億ユーロ(約26兆円)を確保するため、財務相に指名したフランコ氏と緊密に協力して改革案を準備する公算が大きいと見られています。
コンテ前政権では、新型コロナウイルス禍や景気後退への政府の対応に不満が噴出し、上院で与党勢力が過半数を失う事態になっていました。
ドラギ政権の閣僚は13日に正式な宣誓を行う必要があり、その後、新政権が本格的に発足し、来週には議会で信任投票も行われます。
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