WHO、「欧州人口の半分超がオミクロン感染の可能性、エンデミック扱いは尚早」
(last modified Tue, 11 Jan 2022 18:38:06 GMT )
1月 12, 2022 03:38 Asia/Tokyo

WHO世界保健機関のハンス・クルーゲ欧州地域事務局長は11日、欧州の人口の半分以上が新型コロナウイルスのオミクロン変異株に感染することが予測されているとした上で、インフルエンザのような「エンデミック(一定地域で普段から継続的に発生する状態)」とみなすのは時期尚早という認識を示した。

ロイター通信が11日火曜、デンマーク・コペンハーゲンから報じたところによりますと、クルーゲ事務局長は2022年の第1週に欧州で700万人以上の新規感染者が報告され、2週間で2倍以上に増えたことを指摘しています。

その上で「このペースでいくと、今後6─8週間で地域の人口の50%以上がオミクロン株に感染すると、IHME米ワシントン大学保健指標評価研究所は予測している」と述べました。

ロイター通信は10日月曜、「多くのヨーロッパ諸国の医療制度は、特に年末年始のオミクロン株の急速な蔓延により、再び大きく逼迫されている。しかし、オミクロン株による波はまだピークに達していない」と報じています。

初期段階の研究では、オミクロン株感染による入院の可能性は非常に低いと予測されていましたが、スペイン、英国、イタリア、その他のEU加盟国の医療ネットワークは惨憺たる状態となっています。

WHO当局者はこれまでに、オミクロン株感染による症状が他の変異株に比べ軽度であることを示す一段の証拠が出てきているという認識を示しつつも、一段の研究による検証が必要という考えを強調しています。

WHOの欧州緊急事態対応の幹部、キャサリン・スモールウッド氏は、「かなりの不確実性が存在するほか、急速に進化する新型コロナウイルスは新たな課題を呈している。エンデミックと呼ぶことができる段階に達していないのは明確」と語りました。

さらに「いずれエンデミックとなる可能性はあるが、2022年にそうなると確定することは現時点で困難」としています。

 

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