ブルガリア・ポーランドへのロシア産ガス輸出停止で、ユーロと英ポンドが下落
ロシア産天然ガスのブルガリア・ポーランド向け輸出が停止されたことを受け、ユーロと英ポンドが下落しました。
ユーロニュースによりますと、ブルガリアとポーランドに対するロシア産天然ガスの輸出が停止されたことがきっかけとなり、世界市場では27日水曜、1ユーロが1.0588ドルで取引され、過去5年間で最安値となっています。また、1英ポンドも1.25ドルに下落し、過去2年間の最安値を記録しました。
ロシア・ガスプロム社がポーランドとブルガリアへのガス輸出停止を発表した後、ヨーロッパでは同日、ガス価格が23%以上も上昇しました。
フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長は27日、「ポーランドとブルガリアに対するロシアの天然ガス輸出停止は、正当化・容認できないもので、EUはこうした事態への備えがある」と語っています。
プーチン・ロシア大統領の命令により、同国の非友好国はロシアからのエネルギー供給を受けるにあたり、その代価をロシアの通貨ルーブルで支払うことが義務付けられました。
ガスプロム社は27日に声明を発表し、ポーランドとブルガリアがルーブル払いを行わないことを理由に、この2カ国に対するガス輸出を停止しています。
同社の発表によりますと、ポーランドとブルガリアはルーブルによる4月分の支払いを行っていないということです。
ガスプロム社は、これらの国が未払い分を決済するまでは、両国に対するガス供給を停止する、と表明しました。
また同社の発表では、ポーランドとブルガリアを経由してのガスのトランジット輸出も、ロシア産ガスの違法受給にあたる場合には停止される可能性があるということです。
ロシアのニュース局・ロシアトゥデイによりますと、ネーハマー・オーストリア首相は27日、同国がガス料金のルーブル払いに同意し、これに従うと表明しました。
EU加盟国が消費する天然ガス全体のおよそ40%は、ロシアから輸入されています。
これらの天然ガスは住居用暖房や発電のほか、ヨーロッパ諸国の経済を回す各産業が必要とするガス消費に充てられています。