仏ルーブル美術館前館長が、エジプトからの略奪品の来歴を隠ぺいか
(last modified Sun, 29 May 2022 09:58:50 GMT )
May 29, 2022 18:58 Asia/Tokyo

仏パリのルーブル美術館前館長だったジャンリュック・マルティネズ氏が、エジプトから略奪された遺物の来歴を隠ぺいしていた疑いがあるとして、仏当局が捜査に乗り出しました。

AFP通信によりますと、問題となっているのは、UAE・アラブ首長国連邦アブダビにあるルーブル美術館別館が2016年に購入したエジプトの石碑など計5点、およそ10億円相当です。

仏捜査当局は、これらの遺物が2011年のいわゆる「アラブの春」に端を発したエジプト民主化運動の混乱に乗じて略奪され、売買されたものとみています。実際、問題の石碑の売買を仲介した美術商が今年3月にドイツ国内で拘束され、仏当局に身柄を引き渡されています。

仏週刊誌カナール・アンシェネによると、ルーブル美術館のマルティネズ前館長は、これらの遺物の来歴証明書が偽物だと知りながら黙認した疑いがもたれています。

マルティネズ氏は2013年から2021までルーブル美術館の館長を務め、美術品や文化財の不正売買を取り締まる取り組みの仏外務省の代表も務めています。

マルティネズ氏はAFP通信の取材に対し、弁護人を通じて、「本件について最も強い言葉で異議を唱える」とコメントし、疑惑を否定しています。

 


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