10月 18, 2019 23:17 Asia/Tokyo

イスラム暦サファル月20日は、イマームホサインの殉教から40日目のアルバインの日です。イスラム教について詳しい山村邦子さんにお話を伺いましょう。また日本のイスラム教徒、ファーティマ・星野さんは、アルバインの行進に参加し、イラク南部のカルバラの聖地まで歩きました。ラジオ日本語の山口アナウンサーが、この精神性に溢れた経験について、星野さんからお話を伺いました。

シーア派3代目イマーム、ホサインの殉教から40日目のアルバインが近づき、今年もまた、イマームホサインを敬愛する人々による、例年の行事が繰り返されています。

アルバインは、イマームホサインとその教友たちの殉教の記憶を思い起こさせるものです。イマームホサインは、シーア派3代目イマームであり、イスラムの預言者ムハンマドの孫です。アルバインは、イスラム教を守るために自らの持てるすべてのものを捧げ、真理と真理の追求のみを自らの人生のモットーとした人々の、勇気と献身の象徴です。

 

イマームホサインの殉教から40日目のアルバインの日、世界各地から大勢の人が、イマームホサインの聖廟があるイラク南部の聖地カルバラに向かっています。この行進は、友人も敵も、世界のすべての人が認めているように、他に類を見ないほど、大きな規模のものとなっています。

 

イラクは、治安の点で決して好ましい状況にはなく、様々な可能性も整っていません。そのような中で、世界の巨大メディアが宣伝を行ったわけでもないのに、何百万人もの人が、カルバラへと続く道を歩いています。日本人のイスラム教徒、星野ファーティマさんは、昨年、イラク南部の聖地カルバラに向かう、このアルバインの大きな行進に参加しました。ラジオ日本語の山口アナウンサーが、星野さんに、この精神的な経験について伺っています。

 

カルバラの巡礼者の壮大な集まりの中には、乳飲み子から、老人まで、さまざまな人の姿が見られます。彼らは多くの困難を背負いながら、それでも必死でカルバラに向かっています。イラクの人々は、何の見返りも期待することなく、自分の財産を巡礼者のために費やします。羊をと殺し、料理を作り、水やお茶をふるまいます。また、巡礼者のために暖かい場所を用意する人々もいます。

一族の中でも年長のある男性は、毎年、収入の一部をこの時期のために取っておき、アルバインの期間にそれを巡礼者のために使うのだと語っています。この男性は、次のように語っています。「イマームホサインのためにこのような願掛けの行いをしたときから、神は私の生活に恩恵を与えてくださるようになった。私の持てるものはすべて、イマームホサインのおかげである」

 

イマームホサインへの人々の敬愛の念は、言葉では言い尽くしがたいものです。この旅に参加し、彼らの姿を実際に見なければ、その熱情を理解することはできないでしょう。巡礼者の一団に加われば、彼らは全身全霊で受け入れてくれます。赤新月社のテントも見られ、そこでは無料で薬が配られたり、診察が行われたりしています。医師たちは、自分もこの大きな奉仕の恩恵にさずかり、イマームホサインの注目を浴びようと、自発的にそこにやって来ています。

また、歩く人たちの靴にワックスを塗り、彼らの巡礼や徒歩の恩恵に授かろうと待ち構える人々もいます。

この集団の中には、ヨーロッパ、アフリカ、インドネシア、その他の国のイスラム教徒になったばかりの人も大勢含まれています。彼らはイマームホサインへの敬愛を胸に、初めて、この儀式に参加しています。

カレン・ファルビーさんは、キリスト教徒の少女で、このような集団の姿を見ようとカルバラにやってきました。彼女は興奮した様子で、そのような集会はキリスト教には存在しないと話し、写真を何枚も撮っています。生まれ故郷のベルギーに持ち帰って見せる展示するのだそうです。

 

そう、人間性からかけ離れた野蛮な人々がイスラムの名を穢し、宗教の名のもとに、人道に反するあらゆるもの、恐怖や嫌悪を世界に広め、イスラムとイスラム教徒の羞恥の源になっている中で、2000万人のシーア派とスンニ派のイスラム教徒が、、最高の壮麗さと親密さを示しながら、カルバラにあるイマームホサインの聖廟に集まっています。そのことは、世界の人々に衝撃を与えています。そのような現象を目にするとき、非イスラム教徒は、「これほど多くの人を惹きつけ、集めることのできるホサインとは何者なのか、なぜ、イスラムのこのような面については伝えられないのか、西側メディアで伝えられるイスラムはなぜ、常に、ワッハーブ派や皿フィー主義など、人道とはかけ離れたものなのか」という疑問を胸に抱きます。

 

現在、歴史を通して、世界中で類を見ないこの壮大な出来事は、人々の心を真理へといざない、イマームホサインの人格と真理に関する多くの疑問を人々の心に抱かせています。そのため、イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師は、次のように語っています。

「アルバインはカルバラの出来事において、ひとつの始まりであった。真理を知るための始まりである」

 

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