映画「預言者ムハンマド」への国際的な支持(音声)
マジード・マジディ監督の映画「預言者ムハンマド」がトルコで公開され、多くの観客の支持を集めました。
映画「預言者ムハンマド」は、先月28日から、トルコの300の映画館で、トルコ語の吹き替えと英語字幕により上映され、大勢のトルコの視聴者の支持を集めました。トルコのテレビの多くでは、この映画の公開式典の様子が報道され、ソーシャルネットワーク上での、トルコ語のトレーラーの閲覧は多くの回数を記録しました。
興味深いのは、同時に上映された有名なアメリカ映画2つよりも、多くの売り上げを上げたことです。統計によれば、トルコでの上映から3日間で、「預言者ムハンマド」の観客動員数は18万3千人を上回りました。
トルコの観客の一人は、この映画は今後50年間重要な作品となり、イスラム世界にとってのよい雰囲気を作り出すことになるとしました。
マジード・マジディとカンボジア・パルトヴィーによるシナリオは、完成までに7年かかりました。この映画の制作の最初の段階は研究と調査に集中し、3年かかりました。この映画はテヘラン南部の聖地ゴムから55キロの地点の映画村で撮影されました。この映画村は1400年前のメッカとメディナを模して作られ、実際と同じスケールになっています。
また撮影はイタリアの映画監督ヴィットリオ・ストラーロ、音楽はアカデミー賞受賞者で、国際的に有名な作曲家A.Rラフマーンが手がけました。また、アリーレザー・ショジャーア・ヌーリー、メフディ・パークデルなどがこの映画に出演しました。
映画「預言者ムハンマド」は、歴史映画であり、6世紀から7世紀にかけての預言者ムハンマドの生涯について扱い、預言者ムハンマドが生まれた無明時代から始まり、彼が12歳の時点で終わります。この映画は独立した三部作となる予定で、預言者ムハンマドの生涯におけるさまざまな時代を扱います。
マジディ監督は、次のように述べています。「この映画を制作する前、スンニ派とシーア派のイスラム法学者の見解を伺い、いずれもこの映画に満足し、支持してくれた。また多くの批評家も肯定的に評価した。この映画を否定的に見ている人も、この映画を鑑賞し、私たちを導いてほしい」マジディ監督はまた、映画については、偏りなく、上映後に論じられるべきであると強調し、「私は実際、あらゆる批評を活用し、それを尊重している」と述べました。
マジディ監督はまた、イスラム世界において、預言者ムハンマドの生涯を見せる映画は非常に少ないと述べました。このこともこの映画が多くの論議を呼んだ理由のひとつとなっています。マジディ監督は次のように語っています。「40年前に上映された映画のあと、似たような映画は作られなかった。長い時間がたってから、さまざまな批評が出るのは当然のことだ。我々はあらゆる批評を歓迎する。もしより真剣な批評であれば、より容易にイスラムとその預言者を芸術により紹介することができる。我々はイスラム法学者が決定的な役割を果たし、これを行うべきだと考えている」
さらに次のように語りました。「もしイスラムが芸術により紹介されなければ、それが悪用される可能性がある。芸術はイスラムのすばらしさを示し、イスラムを大変否定的に見せている人物に反発する上で影響力ある手段だ」。
映画「預言者ムハンマド」はトルコのメディア関係者、俳優、脚本家、宗教的な人物や、イスタンブールのイラン領事館の文化部の関係者が立ち会う中で上映されました。招待客は映画の悲しい場面で涙を隠すことはありませんでした。この上映会の参加者の一人は、この映画のトルコでの上映について、次のように語りました。「トルコの人々がこの映画を見られるよう、1年間にわたりこの映画が上映されることを希望している。私は一人のイスラム教徒として、映画のメッセージを受け取ることに満足と喜びを感じている。この映画の最も重要なメッセージは、預言者ムハンマドの慈愛と寛容さだ」
この上映会に参加していた多くの批評家や映画脚本家は、トルコの映画の売り上げ記録を突破する上でのこの映画の潜在性を明らかにしました。映画が終わる際に、関係者や俳優のほとんどが、テレビ局のインタビューの中で、この映画を一般公開時にもう一度みることを決めていると伝えたほど、観客はこの映画に対する歓迎を示しました。
トルコの新聞「テュルキエ」は、長い論説の中で、映画「預言者ムハンマド」を賞賛するとともに、次のように記しました。
「マジード・マジディ監督はこの映画の中で、初めて預言者ムハンマドの子供時代を描いたが、シーア派の枠を超えることはできなかった。マジディ監督は、これまでトルコの人々が見たことがないような形で、巧みに預言者ムハンマドの生涯を描いた。預言者ムハンマドの姿は見せていても、顔は完全に見せてない、この映画の中では、有名で優れた俳優は起用されなかったが、預言者ムハンマドの道徳的美しさと非凡な性質を美しく描いた」
また、トルコの新聞サバフは、1面でこの映画の歓迎を示しました。サバフの記者は3時間の上映中、涙を抑えることができなかったと記しました。なお、トルコのある新聞も、この映画に10点中8点をつけました。
トルコの朝刊紙ギュナイドゥンは、この映画をなかせる映画だと賞賛し、この映画のシナリオは人々への影響力があるとしました。
映画「預言者ムハンマド」を見たトルコの映画評論家は、この映画が1970年代に制作された「神の預言者、ムハンマド」以後、預言者ムハンマドの人格を紹介する最も重要な映画作品だとして、「マジディ監督の映画では、アビシニアのアブラハによるメッカ襲撃の場面で、アクションシーン、アニメーションが使われている」と語りました。
この映画評論家はまた、音楽について詳細な説明を行い、この映画の音楽はイランと西側の音楽の混合だとしました。なお、音楽を担当したインドの作曲家A.R.ラフマーンは、この映画の音楽制作の少し前に、イスラムに改宗していました。この評論家はさらに、マジディ監督をイスラム世界の優れた映画監督だとして、この映画は貴重な芸術作品だとしました。
ゴッツTVトルコ語の記者、ラマザーン・ブルサ氏はこの映画に対する批判は政治的なものだとしました。ブルサ氏は次のように語っています。
「マジディ監督がこの映画の制作を決めたとき、預言者ムハンマドの風刺画問題でイスラム世界からの反発が起こり、西側ではイスラム排斥が現れてきた。このため、マジディ監督は、預言者ムハンマドは西側で知られていないという結論に達し、預言者ムハンマドを世界に知ってもらうため、このような映画を作るとした。私の考えでは、サウジアラビアやエジプトで抗議があっても、賞賛されても、映画の基軸とは関係がない。イランとサウジアラビアの関係、そしてイランとエジプトの関係には問題があり、政治的な緊張により、これらの国は政治的なアプローチをとり、この映画を批判している」
ブルサ氏はまた、トルコでの批判も 大半は政治的なもので、トルコでこの映画を批判する一部の人物は、イラクのモスルやシリアのアレッポの作戦に反対し、宗教的な騒乱を起こそうとしている人物だとしました。
トルコ、サウジアラビア、エジプトで、この映画に対する批判はあるものの、それは必ずしも映画の基軸と関係はなく、たいてい政治的なものであり、トルコではこの映画に対する歓迎は最大限に達しています。上映する映画館はさらに900増えることが予定されています。
トルコでの上映に加え、11月8日から、この映画はイラク・バグダッドの2つの映画館で公開を始めました。まもなく、イラクのほかの都市でも上映される予定です。また、11月18日にはロシア・ダゲスタンでも上映を公開しました。
これに加えて、地域の最大の企業も中東諸国における映画の公開に向けて話を行っており、すぐに中東諸国での上映が開始されることになります。映画の配給会社は、インドにおける映画の公開に関する合意の最終段階を経ており、イギリスの企業によって欧米諸国での公開という結論にも至っていると発表しています。また、上映する国の言葉の吹き替えや、字幕も用意されています。