世界の情勢:イランの集会や抗議行進の自由
イランイスラム共和国憲法第26条によれば、政党などの政治的集団や、イスラム団体、憲法で指摘されている宗教少数派団体の結成の自由が認められています。また、第27条でも、集会や行進の立ち上げも、武器を持たない、イスラムに反する内容でなければ、自由とされています。この条項により、毎年、組合や、国際的なテーマによるさまざまな行進や集会を行うことが許可されています。
憲法第26条、労働法によれば、協会の立ち上げの権利は認められています。触れるべき点としては、イランの第5次開発計画の取り決めで、労働者や経営者による団体の強化、労働組合が抗議する上での合法的な権利が強調されています。
昨年12月28日から、数日間にわたり、一部の人々がイランの数箇所の都市で、集会を開き、スローガンを唱え、破綻した金融機関の預金の先行きが不明なこと、一部の商品の価格高騰化、政府の管理の弱さに抗議しました。
一部の集会は、外国の支援を受けた暴徒や便乗者により、暴動に発展しました。
イランの人々は、先日、多くの都市で大規模な行進を行い、公共の財産を破壊する敵や暴徒の新たな陰謀に対する怒りと嫌悪を示しました。
2014年と2015年、さまざまな集団に18回の行進の許可が下りました。この権利は憲法で正式に認められており、この問題はイランにおける最近の抗議運動に対応する中で、注目を受けています。イラン政府が憲法に沿って人々の抗議を尊重し、警察が抗議者への対応に自制を行っていることで、敵が自身の政策を推進するのを容認していません。
確かに、イランの一部の都市での抗議は、穏やかな雰囲気の中で行われましたが、暴徒による扇動行為が続くことで、暴動に発展しました。同時に、アメリカとその同盟者が、イランの内政に干渉し、暴徒を支持しました。
アメリカのトランプ大統領は、抗議運動と同時に、さまざまなツイートで、イランの内政に干渉し、暴徒を支持しました。確かにこのアメリカの態度は、アメリカの利益にはならず、イランの暴動は人々や体制責任者、軍の賢明さにより収束しました。しかし、アメリカがこれまで同様、イランに敵意を抱いており、人々を支持するという、偽りの同情を行っていることが改めて証明されたのです。
この中で、暴動の後、イランで反体制的な集会を立ち上げようとするトランプ政権の行動は、1月5日の安保理緊急会合で何の結論も出なかったことから、失敗しました。
イランのザリーフ外務大臣はツイッターで、国連安保理緊急会合の開催はトランプ政権の悲劇のひとつだと考えられるとしました。
イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師も、1月9日、テヘラン南方のゴムの人々と会談する中で、アメリカの現政権に向けて、最近のイランでの出来事に関して、3つの重要な点を強調しました。
「一つ目に、あなた方は最近の出来事の中で失敗し、今後それを繰り返しても、また失敗するだろう。第2に、この数日、イランは損害を受けており、これに報復しないままでいることはない。第3に、この見せ掛けの異常な行動に回答を示さないということはない」
アメリカは、国民が多くの経済的問題に直面している中で、イランに対する悪質な政策を推進するため、国連安保理に頼りました。以前にも、ウォール街占拠運動などさまざまなアメリカの抗議活動は弾圧されています。
アメリカの救援機関の情報などの、公式統計によりますと、アメリカでは8人に1人が飢えているということです。統計では、アメリカでは4200万人が空腹を抱えており、またそのうちの1300万人が子供で、500万人以上が高齢者だということです。
このような状況の中、アメリカが国連安保理を道具として悪用したことで、国連の重要な機関の信用は低下しています。これに関して、イラン国会のファーテメ・ゾルガドル議員は、この安保理緊急会合について、次のように語りました。
「イランの国内問題に関するこのような会議がアメリカの圧力で開催されたことで、国連安保理の信用に傷がついた。このような行動は国際機関の信用を落とすだけでなく、明確な内政干渉と見られており、国際世論や国際法規では非難されている」
イランに対するトランプ大統領の政策と、彼がイランの暴動をはっきりと支持したことは、アメリカのイランに対する昔からの敵意を示しており、これは1979年のイランのイスラム革命の勝利後から追求されています。
イランのイスラム体制は、イランにおける集会や政党結成の自由に注目すると共に、情報の利用と発出の自由も配慮しています。憲法も、情報の発出と利用の自由、一般の情報を自由に収集する権利を認めています。このため、行政、司法、立法の三権の代表からなる、情報の発出と利用に関する委員会が結成されています。この委員会は毎年、必要な報告を作成し、イラン大統領にそれを提出しています。
イランの憲法によりますと、人々の権利やイスラムに反しない出版の自由、中立な組織の代表の立会いによる政治、出版に関する犯罪への公開審理、イスラム法などを尊重した上でのIRIBにおける表現の自由、イランの人々の思想と表現、信条の自由も保障されています。
イランにおける集会の開催の自由、情報利用の自由に加えて、人々の政治参加も、イスラム体制における重要な事柄です。イランにおける宗教的民主主義の象徴としての選挙は、ほかの国にとっての模範として注目されています。
イスラム革命の勝利により、このおよそ40年間、ほぼ毎年選挙が行われ、人々は直接政治的な決定に主導的な役割を果たしました。イランでは、最も重要な政府機関が、国民の意志による直接投票、あるいは間接投票により立ち上げられます。
イスラム体制の最高権威であるイスラム革命最高指導者は、選挙で直接的にメンバーが選ばれる最高指導者専門家会議を通じて選出されます。大統領や国会議員など、そのほかの責任あるポストも、直接選挙によって選ばれるのです。
イランの政治的な動きは、民主主義の模範で満ちています。選挙参加などの政治活動や、抗議の表明など、人々のすべての行動は、イスラム体制の政治的な成熟を示すものとなっています。
イランにおける表現の自由、集会の自由は、イランの真の民主主義が存在するためのものです。この問題は、外国の干渉の機会にはならず、イランの聡明な人々は、暴徒と決別したことで、イランの敵に、「イスラム体制は陰謀を容認しない」という重要なメッセージを伝えました。