ラマザーン月へのいざない16 イラン北東部のマシュハドにおける断食月
神の宴の月であるラマザーン、断食月も終盤に入っています。
祈りの声、一日の断食明けの食事のにおい、共感と慈しみは、ラマザーン月の特徴です。イラン全国は、コーランとラマザーン月の雰囲気に包まれています。
この雰囲気は、イラン北東部のマシュハド、テヘラン南方のゴムといった宗教都市で、特に顕著になっており、精神性に溢れた雰囲気に包まれています。
イランでは、ラマザーン月特有のお菓子も見られます。これらのお菓子は、イマームレザー聖廟があるマシュハドなどの都市では特に精神的な意味合いを持っています。このような雰囲気の中で、神は一部の僕たちに恩恵を与え、彼らを天国へと導きました。
今日は、神を敬愛する人々の聖域から番組をお届けしましょう。その場所とは、イマームレザーの聖廟です。そこは、恵まれない人々にとっての助けを求める場所であり、コーランと預言者一門の結びつきの中心です。ここでは、いたるところで、精神的な雰囲気の中、啓示をつぶやき、コーランという大海原で心を清める、人々の大きな集団を目にすることでしょう。この時期、イマームレザー聖廟では、コーランの朗誦会や集会などによって、巡礼者の心に神の言葉が浸透していきます。
マシュハドにいると、断食を行う巡礼者と、イマームレザー聖廟の雰囲気、コーランの響きが、独特の雰囲気をかもし出しているのを感じます。また、さまざまな年齢層の巡礼者のために、コーランの講習会が開催されています。
朝の礼拝の後に行われる、イマームレザー聖廟のコーラン朗誦会も、人々の心にコーランの言葉が染み入るきっかけとなる会合です。このとき、全身でコーランと預言者一門の結びつきを感じることでしょう。それは、イスラムの預言者ムハンマドが、晩年にイスラム共同体に残した遺言を思い起こさせるものです。預言者ムハンマドはこのように語りました。
「私はあなた方共同体の間に、2つの貴重なものを残した。神の聖典コーランと私の一族である。この2つは決して切り離されることはない。この2つを支えにする限り、逸脱に陥ったり、過ちを犯したりすることはない」
ラマザーン月、マシュハドでは巡礼者や地元の人々のために、特別なプログラムが開催されます。そのうちの一つが、ゴウハルシャードモスクや聖廟の廊下や中庭で、一日に10回開催される、コーラン朗誦会です。この朗誦会は、ラマザーン月の精神的な雰囲気の恩恵を利用する目的で、一般の利用者と特定のグループを対象にした会合に分けられています。
イマームレザー聖廟のゴウハルシャードの中庭にあるテラスでは、この時期、毎日、イランや海外のコーラン朗誦師が出席する中、一日の断食明けの食事の前にコーランの朗誦会が行われています。著名な朗誦師であるソレイマーニー師も、ゴウハルシャードの中庭の朗誦会に招待されました。ソレイマーニー師は、「コーランの節をイマームレザー聖廟で、それもラマザーン月に朗誦することは、非常に価値のあることだ」とし、次のように語っています。
「イマームレザー聖廟を訪れた巡礼者や地元の人々のために、ゴウハルシャードの中庭で聖典コーランの節を朗誦することは、大きな恩恵であり、私にとって、これまでにコーランに関する活動の中で経験した中でも最も優れたものは、今回のイマームレザー聖廟でのコーラン朗誦である」
ヤドッラー・ソブハーニーニヤーさんは、イラン中部のイスファハーンからイマームレザー聖廟を訪れた巡礼者の一人で、このコーランの朗誦会に参加しました。ソブハーニーニヤーさんは、この会合への参加は、非常に価値のあることだったとし、次のように語っています。
「イマームレザー聖廟に入ってすぐに、ここでコーランの朗誦会が開催されていることを知った。この精神性に溢れた会合に参加したときには、純粋な気持ちと精神性に包まれた。この中庭で、朗誦師の美しい声に合わせてコーランを読み上げることで、心が精神性に溢れるのを感じた。私はコーランを読み上げながら、その言葉や意味に注目を払っている。なぜなら、そうすることで、さらに心に響くものになるからだ」
イマームレザー聖廟ではまた、一日の断食明けのエフタールのときに、巡礼者たちに食事を振舞っています。今年も例年と同じように、毎日、1万3000人を超える招待状が配られます。招待された人々は、決められた日時にイマームレザー聖廟を訪れます。
この他にも、毎日、イマームレザー聖廟の廊下や中庭で、10万を超える断食明けの食事が配られ、巡礼者の長い行列ができています。1ヶ月を通して、この聖廟では、300万人に断食明けの食事が配られています。
イマームレザー聖廟で起こる最も美しい出来事の一つは、この聖廟で、人々がイスラムを信仰するようになることでしょう。アルジェリアや韓国から、イスラム教徒になったばかりの人々が訪れました。韓国の若者は、「私はキリスト教徒だが、キリスト教の三位一体説に疑問を持ち、そのためにワッハーブ派のモスクに行ってイスラムを受け入れた。だが、ワッハーブ派には、私が納得する理論がなかった。そのために1年をかけて、シーア派について研究してみた。そしてイマームレザー聖廟に着いたとき、イスラムへの信仰を決めた。シーア派は最も論理的な宗派である」と述べています。.
ベラルーシ出身の26歳の女性は、イマームレザー聖廟を2度、訪れた後にイスラム教に入信しました。この女性は、ハディースというイスラム名を選び、次のように語っています。
「ラマザーン月には、聖廟の神は偉大なりという響きがいつも以上に心に染み入り、解放された空間の中で、自分が大勢の礼拝者の中にいることに気づく。朝の礼拝の後、この中庭の空間でコーランの朗誦が始まると、著名な朗誦師が読み上げるコーランの節に耳と心を傾ける」
ラジオ日本語のフェイスブックやユーチューブなどのソーシャルメディアもご覧ください。
https://www.facebook.com/ParsTodayJapanese