4月 06, 2023 18:08 Asia/Tokyo

ラマザーン月は、コーランが下された月であることから、コーランの春と呼ばれています。

ラマザーン月の町やモスク、家々では、心に響くコーランの朗読が聴かれます。コーランには1日に読むべき分量が分けられてあります。イランでは人々は毎日コーランのこの分量を集団で朗誦し、これにより、月末にはコーランがすべて読まれたことになります。これにより、コーランの精神的な節は、彼らの生活や行動に影響を及ぼします。テレビ番組によるコーランの放送は、家々をコーランの芳香で満たします。

イスラム教徒はコーランを単なる聖典と見ているのではなく、コーランは大変崇高な包括的な教えや、すべての人間に関する事柄を内部に含む、完全な人生の本であり、これはイスラムをほかの宗教に比べてよりすぐれたものにしています。コーランはイスラム教徒であろうとなかろうと、すべての人間を対象に語りかけているのです。

コーランは人生の法則の集合体であり、また癒しを与える天啓の書であり、人間を成長と高みに導きます。コーランはまた、人類を無知から救い、その教えは、幸福の要因となります。コーランの特性とは、その法が、すべての創造物を詳細に認識する無限の超越した力によって下されたことです。コーランの節は魅力ある形で語られ、個人や社会の責務をすばらしい形で説明しています。コーランは社会格差を認めておらず、人間の同胞愛や尊厳を呼びかけています。それは、時代や環境の影響を受けて変化し、時の経過によって色あせてしまうような人間による指示や説明のようなものではありません。つまりコーランとは、永遠の奇跡なのです。

コーランの魅力と偉大さは、洞察力の範囲が広がれば広がるほど、また、それに関する議論が深くなればなるほど、その秘密がより明らかになり、より新しい真理を発見できることにあります。このため、いつの時代においても、コーランは幾世代をも導く光となることができます。イスラムの預言者ムハンマドはコーランの真理の永遠性とその新しさを最大の英知だとして、次のように語っています。

「コーランには、外面と内面がある、その外面は、指示や命であり、その中身は英知や知識である。その外面は美しい言葉を持ち、そして内面は奥深い。その驚きは尽きることなく、その真理は常に新しい。そしてそれは、導きの明かりで英知の泉である」

ラマザーン月にテヘランでコーラン国際見本市が開催され、コーランに関する宗教的、学術的、そして芸術的作品が提示されるようになってから、長年がたちます。この見本市は、コーランに関する大規模な祝祭行事であり、、コーランのソフトウェアや手書きの写本、印刷物、書道関連の作品やコーランの各種解釈書が一般公開されます。また、この見本市では、青少年のためのさまざまなブースが出されています。

この見本市に参加したベルリン科学アカデミーに所属するドイツの研究者は、コーラン国際見本市は、恩恵と賞賛をよぶイベントだとして、「このイベントを通じて、西側の文明と文化はイスラムに借りがあり、キリスト教だけがこれに役割を果たしたのではない、ということを世界の人々に示すことが出来る」と語りました。

ここでもう一度、イスラムが包括的な宗教であるということに触れておきましょう。イスラムは来世での幸福と現世での生活のための計画を持っています。イスラムの教えの一部には、経済的なものがあります。イスラムは社会正義の拡大と格差の縮小のための手段を有しており、もしそれらが実施されれば、貧困や不公正、差別、格差、社会的な危機など現在の人類が抱える多くの問題が解決されます。5分の1税のホムスや救貧税のザカート、自発的な施し、無利子の貸付、浪費や高利子を取ることの禁止など、これらはイスラムの経済的な指示です。

ある格言をご紹介しましょう。

人々はある賢人に「人類の友にはどのような種類があるのでしょうか」と尋ねました。賢人は次のように答えました。

「3つの種類に分けられる、一つは死に際してそのときに付き添ってくれる人であり、これは両親や配偶者、子供たちだ。2つ目は私たちの所有物だが、これは死ぬとき、他者のものになる。第3は、死の後でも人間と離れないもので、これは人間の行いである。このため、よい友である、よい行いを身に着けるがよい」。

 


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