ペルシャ語ことわざ散歩(136)「家の中に誰かがいれば、一言で十分」
皆様こんにちは。このシリーズでは、イランで実際に使われているペルシャ語の生きたことわざや慣用句、言い回しなどを毎回1つずつご紹介してまいります。
今回ご紹介するのは、「家の中に誰かがいれば、一言で十分」です。
ペルシャ語での読み方は、Dar khaane agar kas ast, yek harf bas astとなります。
すでに皆様もお気づきのように、このことわざは文章の前半と後半で脚韻を踏んでいます。
これは、物事をすぐに理解できる人に対して、あれこれ余計な説明は必要ないことを意味しており、日本のことわざの「一を聞いて十を知る」に相当すると思われます。
しかし、世の中はそのようにすぐに理解できる人ばかりではなく、また物事によっては時間をかけてゆっくり理解することが必要な場合もあるのではないでしょうか。また一方で、難しい事柄でも誰にでも分かるように、噛み砕いて易しい言葉で説明することも、大切なのではないでしょうか。自分が全く知らない物事について、あまりにも専門的な用語ばかりを並べられたのでは、聞いている方としては混乱してしまうだけだと思われます。
特に、イスラムという宗教概念や文化をかいつまんで一言で説明することは、決してたやすいことではなく、またそのように短期間で簡単にすべてを理解することは難しいと思われます。だからこそ、イランやイスラムについてよくご存じない方々にも、少しでもよりよくご理解いただけますよう、私たちはなるべく平易な文章をと心がけています。
それこそ、聞いている人の理解度を高めてもらい、さらに多くのことを理解していただくためにも、一言でとは言わないまでも、なるべく短く、分かりやすい表現をモットーに、今後とも皆様にたくさんの情報をお届けしてまいります。今後もどうぞ、お楽しみに。