イランの芸術 (5)
糸紡ぎと織物
イランでは、紡織が古い歴史を持つ由緒ある産業となっています。
糸紡ぎは、イランの特に北部マーザンダラーン州で古くから続く伝統技術の1つです。
イラン北部の村落部に住む大半の人々は、農家や手工芸職人です。
そのような手工芸に関わる技術の1つが糸紡ぎです。
この女性は、今糸紡ぎを行っているところです。
今回は、この技術に触れてみることにしましょう。
ー 何をされているんですか?
糸紡ぎの女性:羊毛から糸を紡いでいます。
これが糸紡ぎです。
ー では、紡織工房に入ってみましょう。
ここは、メフディーザーデさんの作業場です。
メフディーザーデさんは、長年にわたり紡織に携わっています。
ー この作業所について説明していただけますか?
ここは、伝統的なタイプの工房です。
ここでは、様々な伝統的織物が生産されています。
そうした織物には、キリムやジャージームと呼ばれる薄手の敷物などがあります。
羊毛で作られた生地は、ズボンなどの特定の用途があります。
ここに、4種類の糸があります。
羊毛、編み物用糸、ポリエステル糸。
そして、こちらは繊維くずで作られた新しい種類の糸です。
私たちはこれらの糸で、様々な種類の生地や織物を生産します。
ー この機材は何ですか?
この機材は、ケルチャールと呼ばれています。
ケルチャールは、ジャージームを織ります。
こちらの機材では、色々な生地が織れます。
こちらは、私自身が作った新しい織機です。
これらの織機は、昔からある伝統的なものです。
これらの織機を使って、複数の糸が織り上げられていきます。
こちらの男性は、樹木から糸紡ぎ用の紡錘を作っています。
紡錘は、綿や羊毛から紡いだ糸を巻きつけていく、木製もしくは鉄製の道具です。
紡錘は、織物の生産過程で最初に必要となります。