イランの芸術
アーザルバーイジャーン地方の郷土舞踊
アーザリー舞踊は、イラン北西部アーザルバーイジャーン地方に伝わる郷土舞踊で、世代を超えて受け継がれてきたものです。
アーザリー舞踊の中には宗教儀式の一部だったものや、戦争と防衛の準備の一環だったものもあります。今日、私たちはアーゼルバーイジャーン地方の古い民家を訪れています。ここでは十代の若者たちが儀式の舞踊を練習しています。
これらの生徒たちに指導しているのは、アルマースィーさんです。今日は、この舞踊の指導者の方にお話を伺ってみたいと思います。それではどうぞ、最後までご一緒ください。
東西両アーゼルバーイジャーン州とアルダビール州では、この地方の踊りは76通りの動作の組み合わせがあり、それぞれに特別な意味合いが込められています。
これらの踊りの大部分は非常に古いもので、演舞には体力が非常に必要とされます。
これらの伝統的な踊りは、その背景には悠久の歴史が存在しています。
アーザルバーイジャーン地方のみならず、イラン全域に慣習儀礼としての踊りが存在しており、
こうした慣習儀礼としての舞踊が維持されることで、イランの文化も維持されることになります。
- どのくらいの期間、この舞踊に携わっていますか?
私自身はこの舞踊を行ってもう10年になりますが、これらの生徒さんへの指導は3か月ほどです。
- これらの踊りには、何か特別な意味があるのでしょうか?
はい。つま先で立つと、胸に力が伝わり、胸を前に押し出します(胸をはることになります)。これは、大地や名誉を守ることの表れです。
頭と手は、このように角度が90度になるようにします。
生徒さんはどのくらい練習するのでしょうか。大変ではないですか?
彼らはスポーツもしなければならなく、恒常的に練習して舞踊を体得する必要があります。
- 週に何回ぐらい練習するのでしょうか?
これらの生徒たちは、週に3回器械体操の練習をします。
また週に2回は私が彼らに舞踊を指導しています。
- これらの一連の動きには、1つの大元となる起源があるのでしょうか?
はい、これらの動きの起源はオリジナルのもので、この舞踊の発祥地(イランのアーザルバーイジャーン地方)に遡ります。
たとえば、アーザルバーイジャーン地方のさまざまな地域や都市に独自の踊りがあります。
ジエイラーニー、サリゲリン、レズギーと呼ばれる舞踊を挙げることができます。
この舞踊では頭を下に下げてはならず、それは威信や栄誉の象徴とされています。
- 今やっているこの動きはどういう舞踊なのでしょうか?
これは、アゼルバイジャン・トルコ系の舞踊で、大衆の間から生まれた男性用の舞踊です。
アゼルバイジャン舞踊の1つにレズギーと呼ばれる英雄伝的な舞踊があり、これは準備運動として行われることが多くなっています。
- 見たところ、皆統一された衣装を着ていますね、衣装としては何色のものがありますか?
ええ、これらは赤い衣装です。
赤い衣装は、喜びやエネルギー、鼓舞を表しています。
アゼルバイジャン舞踊は実際、イランの舞踊技術の一種ですよね。先生は確か、ご家庭内でこの舞踊をなさっていたということですよね。
はい。自分の兄弟から習い覚えたもので、兄弟もまた父から習得していました。
私の父も舞踊に長けていまして、しかも美声の持ち主でした。
この芸術は、世代から世代へと伝承されてきたものです。
私もこの文化とアイデンティティをこれらの生徒たちに伝え、この舞踊芸術が廃れないようにしたいと思っています。