ペルシャ語ことわざ散歩(207)「海に足を踏み入れると海が干上がる」
皆様こんにちは。イランでまさに今使われている生きた表現をご紹介する「ペルシャ語ことわざ散歩」、今回は「海に足を踏み入れると海が干上がる」という表現をご紹介してまいりましょう。
このことわざは、ペルシャ語では Paa be daryaa begozaare, daryaa khoshk mi-shavad となります。
日照りや干ばつなどでダムや河川などが干上がると、人々の暮らしが危機に瀕することになります。これまでに海が干上がるという事態は発生していないものの、万が一そのようなことが起きたら、食用の魚も捕れなくなり、船舶も航行できず、地球環境が維持できなくなります。考えただけでも恐ろしいですよね。
このことから恐らく、文字通りの意味から何となく「何か悪い意味を表す」のではないかということがご想像いただけるのではないかと思います。
このことわざの意味は、非常に運が悪いこと、ツキや運がない、よくよくツイていないということを表します。
例えば、何か不運な出来事に遭遇した際に「自分はなんて運が悪いんだ。私より不運な人はこの世にいないだろう。海に足を踏み入れたら、海が干上がってしまった」という風に表現します。
さらには、これまでに何回も不運な出来事に遭遇している人が、自分は今後も常に運が悪いものだと決めつけ、「どうせ、自分はこれからは何をやっても駄目だ。海に足を踏み入れたら海も干上がってしまう」などと言うこともあります。
しかし、世の中は実際には非常に公平にできており、太陽は誰にでも公平に光を降り注ぎ、また誰でもいきなりにわか雨に遭遇してびしょぬれになることもあります。そして、いわゆる成功者と呼ばれる人々は、一見不運な出来事や災難、ピンチをもチャンスに転じさせて成功をつかんだ人が多いのではないでしょうか。また、そうした人は、一般の人々の目につかないところで人知れぬ努力を重ねていることも多いと言われます。まずは、運やツキをあてにしたり、ピンチや不幸を嘆く暇があるなら、今自分の置かれた状況でできることからまず努力してみるという姿勢が大切ではないでしょうか。
それでは、本日の締めくくりとして、アメリカの女性R&B(リズム・アンド・ブルース)シンガー・ソングライターであるヴィヴィアン・グリーンの名言をご紹介しましょう。
「人生とは、嵐が過ぎ去るのを待つことではない。雨の中でどんな風にダンスをするかを学ぶことだ」
この番組は、IRIBイランイスラム共和国国際日本語通信パールストゥデイがお送りしています。