1月 16, 2024 20:09 Asia/Tokyo

皆様こんにちは。シリーズでお届けしております「ペルシャ語ことわざ散歩」、今回は「見知らぬ場所での自慢は、銅細工市場で歌うこと」という表現をご紹介してまいりましょう。

このことわざは、Laaf dar ghariibii, aavaaz dar bazaar mesgarhaaとなります。

おそらく、文字通りの意味から何となく本来の意味をご想像いただけた方もいらっしゃるかと思います。

銅などの金属を加工する工房が沢山軒を連ねているような場所では、金属を打つ音がひっきりなしに響き渡っており、そこで誰かが歌を歌っても金属音にかき消されてしまい、誰も歌声には注目しないものです。

このことから、このことわざは、誰も自分のことを知らない場所や見知らぬ土地に行ってしきりに自分の自慢話をしても、誰にも注目されない、ということを意味しています。

特に、自分の周りの人が持つ大きな力や能力を無視し自分の力を吹聴する、もしくは自分よりも弱い、または劣っていると思われる人々の前で自画自賛するような人を揶揄して使われることが多いようです。

しかしながら、このような人は、いざ自分よりも本当に実力のある人と対峙した場合には、当然ながらメンタル面でも敗北し劣等感を感じ、もはや自慢話はできなくなることはいうまでもありません。

本当の力のない、それほどの権威や人格すらもない人が、全く見知らぬ土地に行って、知らない人たちの前で自画自賛しているのは、まさに金属加工音の響き渡る騒がしい場所で歌うと同様、何の意味もない無駄な行動であり、滑稽でさえあるといえるでしょう。

そもそも、よく知られているように、本当に実力のある人はそのような無駄なことをしなくとも、おのずとその名声は各方面に知れ渡るもので、逆に実力のない人ほど自分を自慢したがるというものではないでしょうか。

無暗にあちこち触れ回り、宣伝などしなくとも、自然に人々の間で名声を博すような本当の実力者になりたいものですね。それではまた。

この番組は、IRIBイランイスラム共和国国際日本語通信パールストゥデイがお送りしています。

 


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