10月 10, 2016 18:57 Asia/Tokyo
  • 子供とコンピュータ・ゲーム
    子供とコンピュータ・ゲーム

今回は、子供や青少年にとってのコンピュータ・ゲームの長所について考えていくことにいたしましょう。

現在、コンピュータ・ゲームは世界で魅力のある一般的な娯楽となっており、人々の生活に大きな影響を与えています。このゲームは、現代の子供や青少年はもとより、大人にとっても主要な娯楽であり、情報技術の世界への入り口となっています。言うまでもなく、こうした技術は計画的なものであれば人々の協力や健全な競争を促すことになり、また、教育目的にも利用できるものです。

教育目的のゲームを集団的に使用することは、学力の向上や人々の社会関係にもプラスの効果をもたらします。個人用のゲームも、人間の思考力や創造力をはぐくみ、またこうしたゲームを通じて人々が先進技術に親しむことができます。さらに、コンピュータ・ゲームは使用者の興奮や情熱を高めるとともに、空想力や先進技術の習熟度を高め、作業の速度を上げることもできます。

コンピュータ・ゲームは、子供の育成において特別な役割を持っています。精神科医の見解では、遊ぶという行為は、思考および行動面での活動全体を意味し、子供が外の世界との関係を築くために自分の意思により行うものとされています。遊ぶことは、2つの主要な目的を持っており、1つは教育および、思考力の強化であり、もう1つは娯楽、即ちその瞬間を楽しみ満足感を得ることです。

 

遊びの重要性と教育におけるその機能

このように、遊びは子供の教育において考慮されるべき最も重要な要素の1つです。それは、子供は自分の周りの環境との接触により学び取るものを、遊びながら繰り返し、繰り返すことでそれらをよりよく理解するからです。このため、こうした遊びは子供が自分の身の周りの事物に直接触れ、経験するための可能性を生みだし、子供は身の周りの物事や出来事をじかに経験することにより、自らの見聞を増やしていくのです。

遊びは、子供の長所や欠点を、欲求、能力や才能を見極め、物事を経験し、創意工夫により新しいものを作り出す手段です。このため、子供は自分の特質を認識することで、自らの人格構造を強化し、遊びを通して社会性や言語能力、自分の内面に秘められた能力の発展を知ることができるのです。

一方で、子供は遊びを通して大人の行動や役割を模倣します。子供が遊ぶ理由は、実生活において出来湧く問題に対処する上での、身体的、精神的な準備を整えるためです。このため、こうした遊びはより幅広く、複雑で社会的なものであればあるほど、子供の耐久力や問題対処能力を高めることになります。教育計画において、大人と子供が一緒に遊ぶことはきわめて重要だと考えられています。

コンピュータ・ゲームは、現代において最も人気のある一般的な遊びです。コンピュータ・ゲームが人気を集めている最大の理由は、それらが実際の環境をシュミレーションしたものであることにあります。コンピュータ・ゲームは、現実の世界を模倣した上で、子供や青少年が実際の社会生活に入る前に、そこでの実例の多くを事前に体験できるようにプログラムされています。子供は、サイバー空間上のアイデンティティをもって、この空間に足を踏み入れ、経験を積み、物事の運営する権限を握ります。このことにより、子供にとってはサイバー空間という魅力が倍増します。

子供は、遊ぶことで実生活における立場を自分の認識の中で体験し、物事を試し、練習し、模倣します。遊びは、子供の能力や独立性、自信、そのほかの能力を発達させます。子供は、遊びながら自分の学び取った事柄を繰り返し、再びそれについて考えます。

 

コンピュータ・ゲームの利点

コンピュータ・ゲームは、子供の注目をひきつけて集中させ、少ない教育費で学習の下地を整えるための手段です。今やコンピューターの使い方を知らないことは、識字能力がない状態の1つとも見なされます。この視点から見て、コンピュータ・ゲームは、子供がコンピュータという先進技術に初めて触れ、理解を深めるための手段として注目されています。この種の学習方法は、子供が遊びに興味を持っていることからも、最も優れた教育方法とされています。

コンピュータ・ゲームは、あくまでも娯楽の手段ではありますが、頭脳や手、目などの体の部位を連携させる下地を作るものでもあります。コンピュータ・ゲームで遊んでいるとき、目はコンピュータの画面のみを見つめ、手はキーボード上で動いています。このことから、手と目を見事に連携させることになり、それがひいては後に物事を迅速かつ正確に行う助けになると考えられます。新しい調査によれば、言葉を話すことにおいても、コンピュータ・ゲームは子供にとってより高い言語能力をより早く身に着けるための助けになるとされています。

子供は、バーチャル空間では衣服や身周りを汚すことなくお絵かきをしたり、色を塗り替えることができます。もし、今塗っている色が気に入らなければ、いくつかのボタンを押して簡単に別の色に切り替えることができるのです。さらに、サイバー空間では基本的な概念や数学などの基礎科学の基本を、子供向けの図形を使って教える便宜が整っています。

青少年も、コンピュータ・ゲームの主要なファンとなっています。バーチャル空間は、青少年が自分の様々な疑問を見つけられる場所です。この空間では、青少年が画像やコンテンツを自ら創作したり、あるいは彼らの歴史や地理などへの関心を掻き立てる非常に多様なプログラムが作られています。さらに、一部の教育プログラムは、青少年が実生活の必要な技能の多くを訓練する助けとなっています。インターネット空間で興味を沸かせ、興奮を誘うゲームをすることは、青少年が自分の感情を提示するための手段でもあります。一部の医師たちの見解では、コンピュータ・ゲームが病気を持つ子供や青少年の迅速な健康の回復を促し、それにより彼らが鎮痛剤をあまり使用しなくて済むようになる、と考えられています。

全体的に、コンピュータ・ゲ-ムは人間1人1人の能力に応じて利用できる機材だといえます。さらに、この現代的な娯楽は人間の能力や才能、創造力を発揮できる可能性を整え、独立性や決断力を高めるものでもあります。それは、遊びの際にはその瞬間に何かを決定しなければならないからです。コンピュータ・ゲームのこうした点は、人間の思考力や決断力を強化します。

集団によるコンピュータ・ゲームをする際、使用者は自分を周りの環境に合わせることになります。即ち、彼らは集団の利益となる一連のルールや原則に従わなければならないため、彼らには協力や仲間意識がはぐくまれるのです。社会的な能力の多くは、こうした遊びによって習得されます。コンピュータ・ゲームはまた、脳性まひや言語的な識別能力の発達障害などの病気にかかっている子供や青少年を助ける上でも、適切な手段となっています。

コンピュータ・ゲームは、興奮をそそる音声や動きのある画像により、使用者の好奇心や感情を沸き立たせます。こうした大きな魅力により、コンピュータ・ゲームは使用者の心と体を完全に引き込み、自分が出来事の主役を演じる空想の世界に使用者を引き入れるのです。この現代的な娯楽は、様々な仕掛けにより、使用者の意識や神経に大きな影響を与え、事実上使用者自身をもコンピュータの世界の一部に組み込むのです。

利点と欠点を併せ持つコンピュータ・ゲーム

子供は、完全に本当の自分を忘れてしまうほど、コンピュータ・ゲームに夢中になります。様々な障害物をクリアしてより高い段階に進むというシステムにより、利用者は興奮し、障害物をクリアすることで感情を掻き立てます。こうしたゲームは、何時間にもわたって子供をコンピュータの画面に釘付けにし、彼らを現実の世界から空想の世界へと引き込むのです。

コンピュータ・ゲームはまた、人間が作り出したそのほかの文明の利器と同様に、長所と短所の2つを併せ持っています。即ち、これを正しく有効に使用すれば、業務の進捗を助け、迅速化しますが、使い方を誤った場合には大きな弊害をもたらすことがあるということです。この種の娯楽は、メリットも有するとともに、子供や青少年、さらには大人の心と体に破壊的な影響を及ぼします。人間の精神や頭脳が極めてデリケートなものであることから、コンピュータ・ゲームの悪影響は時として取り返しのつかない可能性もあるのです。

 

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