スマートフォンの新たな通信アプリとその悪影響
今回は、スマートフォンの新たな通信アプリとその悪影響についてお話することにいたしましょう。
スマートフォンとSNSの利点と難点
スマートフォンの技術による進歩やその計り知れない魅力により、スマートフォンは全世界の人々のとってとても重要なものの1つになっています。スマートフォンは、インターネットやSNSに接続する機能を有することから、私たちの生活の様々な側面に影響を及ぼしています。スマートフォンのアプリのうちでも人気のあるものは、バイバー、ウィーチャット、ワッツアップ、タンゴ、ライン、インスタグラムなどであり、私たちの時間のかなり多くがこれらに費やされています。
スマートフォンのユーザーは、友人や周りの人々とのコミュニケーション、昔の友人を見つけること、グループの結成、情報の入力や送信、オンラインゲーム、自分に必要なコンテンツやファイルの検索なと様々な目的や動機により、このメディアやアプリを使用します。実際、ソーシャルメディアが人気を集めている要因の1つは、様々な領域に渡って人々や集団の要望や目的に応え、彼らに創造力や生産力をもたらしてくれることにあります。
もっとも、携帯電話上のソーシャルネットワークが数多く作られたことは、有益な機能を持つと同時に、社会での様々な弊害や好ましくない現象を生み出しています。こうした弊害の一部は、人々がこの先進技術の使用法を誤ったことによる結果です。また、これらの弊害の中には諜報活動や他の社会の文化への攻撃、それらの国々への文化の押し付けを目的とした悪しき政策に起因します。この魅力的なソフトウェアが無料で様々なサービスを提供することから、この表面的に有益なサービスの影に多数の脅威が潜んでいることは容易に想像できます。
人気アプリの1つ・バイバー
バイバーは、最も人気があるスマホアプりの1つです。ユーザーは、このソフトウェアを利用して、無料で他人と通話し、メッセージのやり取りができます。バイバーは、その他の特徴として無料であることの他に、通話の際の音声が適切であることから、多数の人々に利用されています。
バイバーメディアは、キプロスに本社を置くインターネット電話会社であり、開発拠点はベラルーシとイスラエルにあります。この企業を創設したのは、シオニスト政権イスラエルのテルアビブ大学でコンピューターサイエンスを学び、シオニスト政権の防衛隊のメンバーだったイスラエル系アメリカ人のタルモン・マルコ氏です。彼は、4年間に渡りイスラエル軍に就役した経歴があり、軍の司令部で情報部門の主任を務めていました。また、スパイウェア、情報をダウンロードするウイルスの生産やハッキングプログラムの開発に携わっていました。
バイバーメディアの登録フォームは、この会社のソフトウェアがネットワークの機能やユーザーによる通話件数、通話した時間と場所、そして使用されたネットワークの種類などの詳細をより正確に把握するため、あらゆる電話やネットワークによる全ての通話の詳細な音声ファイルを入手すると記載されています。一部のアナリストは、バイバーがユーザーの情報収集やシオニストの諜報機関への支援を目的とした、スパイウェアであると考えています。
ウィーチャットについて
最も有力なもう1つのソフトウェアに、ウィーチャットが挙げられます。このソフトウェアの主な特徴は、友人や知人と簡単に連絡が取れること、受話器を揺らすことで友人を登録できること、友人への写真や動画の送信、グループチャットや意見交換ができることです。ウィーチャットは中国の大手IT企業テンセントが開発したもので、2011年1月に中国でサービスを開始して以来、現在では20ヶ国語でのサービスをサポートしています。
ウィーチャットは元々、完全にプライベートなSNSの1つであり、これが様々なサービス機能を持つことから、ユーザーは楽にインターネットに接続して無料通話ができます。世界の多くの国では、ウィーチャットが利用しやすく魅力的であることから、このSNSのユーザーが多数存在しています。ウィーチャットは基本的に、暗証システムを利用していないことから、通話を傍受されることに対するユーザーの懸念を引き起こしているという様々な報告も出されています。
携帯電話のSNS・タンゴについて
さらに、携帯電話によるSNSにはタンゴもあります。携帯電話を持つ人なら誰でも、このソフトウェアを利用して、メンバーを検索し、人の多い場所では4キロ半径内、さらには郊外などでは数十キロ半径内にいるメンバーを見ることが可能です。
タンゴは、人気のあるソフトウェアですが、残念ながらこうしたソフトウェアのユーザーの多くは、他人のプライバシーや安全の問題を考慮していません。過去の事例が示しているように、個人情報は治安機関や諜報機関、ハッカーなどにより簡単に悪用されています。特に、多くのユーザーはネットワークやプライバシーの安全を強化する機能については何も知らず、自分の個人情報の多くを簡単に公開してしまっています。
これまでにご紹介したアプリに加えて、モバイルでのインターネットが普及したことにより、ワッツアップやこれに類似したソフトウェアも、旧来のメッセージの送受信の代替手段として登場しています。これらのソフトウェアにより、1時間で数百ものメッセージを送信できます。ホワッツアップにより、写真や音声、動画などのファイルなどの送信に加えて、GPSなどにより、自分が今いる場所を知らせることができます。このソフトウェアは、ユーザーや相手の情報を携帯電話の住所録から読み取れるため、ソフトウェアに記録されている住所録に入り込む必要はありません。
モバイルアプリとSNSによる弊害
現在、これまでにお話したようなソフトウェアやSNSが存在しています。おそらく、これらのアプリが社会にもたらす最初の弊害は、時間の無駄遣いではないでしょうか。こうしたソフトウェアの多大な魅力につられて、多くの人々が長時間にわたってこれに夢中になり、自分の必要な要件を果たせず、さらには日常の雑事さえもきちんとこなせない状態に陥っています。
先進技術がもたらしたもう1つの弊害は、プライバシーの侵害、そしてユーザーにとって個人情報を守るための十分な安全がなくなっていることです。こうしたネットワークによりユーザーに対する諜報活動が行われていることは、もはや新しい問題ではありません。ユーザーの個人情報がこれらのソフトウェアを開発した国の諜報ネットワークにより盗み出されているというニュースは、常にメディアを賑わしています。
こうしたソフトウェアやSNSが引き起こすもう1つの弊害は、腐敗行為や不道徳な関係を広める環境ができてしまうことです。こうした関係がユーザーに対する多大な悪用に発展したケースは数多く見られます。このような関係は、互いに架空の個人情報を提示することにより成立し、それにより未婚の男女、さらには既婚者同士の関係さえ自然なものとなり、その結果、宗教的な価値観が薄れ、家庭崩壊をも引き起こしています。
さらに、こうしたSNSに夢中になりすぎると、運動不足やうつ病を引き起こします。そのほかにも、SNSによる弊害として、家族関係の脆弱化、ソフトウェア依存症、実生活への不適応、さらには人々の生活様式や文化の変容などが指摘できます。
インターネット空間によるそのほかの悪影響には、パーティーや家族の集まりなどへ参加意欲が薄れることが挙げられます。それは今日、人々の最大の関心事が、会って話すことではなく携帯電話になっているからです。さらに興味深いことに、この問題は特定の年齢層に限られず、残念ながら全ての年齢層の人々が、現実的な人間関係の減少によりもたらされるのは孤立や引きこもり、うつ病しかないという事実に気づいていないのです。