10月 25, 2016 16:14 Asia/Tokyo
  • アッラーメ・タバータバーイー大学
    アッラーメ・タバータバーイー大学

今回は人文学・社会学を教えるイラン最大かつ最も重要な大学、テヘランのアッラーメ・タバータバーイー大学です。

アッラーメ・タバータバーイー大学は、イランの最大かつ最も重要な人文学と社会学の大学とみなされています。この大学はテヘランにあり、創設は1984年です。この大学の創設は、イランの高等教育システムにおける転換点ということができ、これは国内外の思想家や大学を大学の専門性に関するイランイスラム共和制の全体政策に注目させました。

 

1979年のイスラム革命勝利後、人文学の重要性により、イランにおける人文学、社会学専門の大学の創設の必要性がイランの新しい体制の計画に据えられました。最初1980年に、20年前から次第に創設され、大学や研究所などの様々な形で活動を行っていた27の独立系の高等教育機関が統合され、文学・人文学大学群と経営学・商科大学群の二つが作られました。このどちらも、5年間、独立した経営によって活動を続けました。最終的に1984年、この二つの大学群は統合され、アッラーメ・タバータバーイー大学が誕生しました。

アッラーメ・タバータバーイー

 

アッラーメ・タバータバーイーは、コーラン解釈、哲学、神秘主義の分野で知られるイランの現代思想家です。この名前の選択は、大学関係者にこれまで以上にこの人物に親しませ、彼を模範として、向上と成長に向けた道を進み、浄化、禁欲、教育をより深く見出す助けとなるでしょう。

 

現在、アッラーメ・タバータバーイー大学は、イラン最大の人文学専門大学として、学会メンバーや研究員の能力を活用することで、イラン社会に貴重な貢献を行っています。この大学の出身者には多くの学者や政治家がいます。

 

アッラーメ・タバータバーイー大学は、10の学部と高等教育研究所、分校、9つの研究所を有し、218の専門分野で学生を受け入れています。現在学会のメンバーは502人となっています。この大学は知識生産や論文の引用回数などにおいて、国内外のランキングで上位に入るなど、多くの名誉を受けています。

 

アッラーメ・タバータバーイー大学は、数多くの学部や研究所、施設を有しているとお話ししました。ここからは、ペルシャ文学・外国語学部とECO保険高等教育機関の二つについてお話しすることにいたしましょう。

 

ペルシャ文学・外国語学部は1983年、いくつかの高等教育機関や研究所が統合して誕生しました。この学部は教えられている外国語の多様性からイランの外国語学部の中でトップとなっており、創設の当初から、著名な教授陣の存在により、イランでも知られた学部の一つとなっていました。この学部の教授陣は、科学技術省や教育省、イスラム文化指導省といった省庁の専門委員会や作業グループ、また文化機関で決定を下すような人々がつとめてきました。このことはこの学部の高い地位を物語るものです。

 

アッラーメ・タバータバーイー大学のペルシャ文学・外国語学部は、ペルシャ語・ペルシャ文学、言語学、アラビア語、英語・英文学、フランス語、スペイン語、トルコ語、ロシア語、中国語を教え、外国語教育において国内で最も有名な学部となっています。現在、この学部にはおよそ100人の教授、3000人の学生が在籍しています。

ECO経済協力機構

 

ECO保険高等教育機関は1970年の創設当時はテヘラン保険高等学校国際部として、地域協力機構の枠内で活動を始め、イランやトルコ、パキスタン出身の学生らによって始動しました。1979年のイスラム革命後、ECO経済協力機構の創設を受け、1989年から活動を停止していた保険高等学校の再開により、注目を集めました。最終的に1990年、この高等学校はECO保険高等教育機関として学術活動を再開しました。

 

この研究所は、名のある教授やアッラーメ・タバータバーイー大学のふさわしい学術・教育システムに注目し、この大学の学部の一つに加えられました。この研究所の業績は常に、イランをはじめとするECO加盟国の学術、教育、経済機関、特に保険産業の注目を集めています。現在この研究所の8人の学会メンバーがおよそ300人の学士および修士課程の学生を教えています。

 

 

最新の統計によれば、2014年から2015年にかけて、およそ1万7千人の学生がアッラーメ・タバータバーイー大学の各学部や分校で学んでいました。学生数の多い学部の順に、ペルシャ語・ペルシャ文学、会計、法律、社会関係学・ジャーナリズム、英語・英文学となっています。この大学の分校にある心理学や教育学部でも多くの学生が学んでいます。

アッラーメ・タバータバーイー大学

 

アッラーメ・タバータバーイー大学では外国人留学生も受け入れており、2015年には20か国から125人が学んでいました。人気のある学部は社会関係学・ジャーナリズム、英語、アラビア語、政治学です。留学生の多くはシリア、イラク、レバノン、タジキスタン、キルギス、トルクメニスタン、アゼルバイジャン、パキスタン、イエメン、アフガニスタン、ウクライナ、北朝鮮、カザフスタン、モロッコ、スーダン、ソマリア、トルコ、インドから来ています。ペルシャ文学・外国語学部も留学生を多く受け入れています。

 

 

モロッコ出身のゼイナブ・ブーステさんは、アッラーメ・タバータバーイー大学の留学生です。彼女はお父さんがイランに滞在していたことから、数年前からイランを行き来していました。ゼイナブさんは自分の国、他のアラブ諸国、またモロッコ移民の多いフランスなど、大学の選択肢はいろいろありましたが、イランを選び、アッラーメ・タバータバーイー大学でジャーナリズムを学んでいます。彼女はこの選択の理由をイランがイスラムの国であり、治安もよかったことを挙げています。

 

ゼイナブさんはイランの文化、経済、政治に対して高い関心があり、自分の学問のために、こうしたことを知ることは必要だとしています。彼女はイランで学んでいることを誇りに思っています。なぜならイランは成長に向かっている国であり、自分にとってこの国で輝かしい未来が待っていると考えているからです。彼女はアッラーメ・タバータバーイー大学を人文学の分野で最高の大学の一つだとし、この大学はこの点から中東で最高の地位にあると考えています。彼女は大学の美しいキャンパス、整った施設、大学の送迎サービスを、アッラーメ・タバータバーイー大学の良い点として挙げています。

 

ゼイナブさんは、イランの大学は世界でも高い学術レベルを有しており、世界でも多くの人が同じ考えだとしています。とはいえ、大学を選ぶ際には、学術レベルのみならず、その国の環境や文化、治安といったことも非常に重要だと強調しています。彼女は学術レベルが高くても、学生にとって好ましくない環境にある大学もあるとしています。彼女はイランの人々を学問を愛する人たちだとし、こうしたことが、アッラーメ・タバータバーイー大学を選択した理由だとしています。