May 05, 2018 16:36 Asia/Tokyo
  • アハレ・ベイト国際大学
    アハレ・ベイト国際大学

今回は、イランの宗教大学のひとつ、アハレ・ベイト国際大学をご紹介いたしましょう。

アハレ・ベイト国際大学の校章

 

アハレ・ベイト高等教育センターは、世界の大学や研究所でのイスラムの聖典コーランの知識の拡散、有識者との建設的な協力、アハレ・ベイト、つまり預言者一門に関する教授や研究者、専門家の育成を目的に、2005年に活動を開始しました。

この教育機関の特徴に注目し、さらにこの機関の目的を実現し、人類や世界のイスラム教徒の学術的な要求を満たすという2011年の会合での最高指導者の指示を実行するために、アハレ・ベイト高等教育センターはアハレ・ベイト国際大学に昇格しました。

アハレ・ベイト国際大学の学生の卒業式

 

アハレ・ベイト国際大学には数多くの任務が課せられています。学術的なサービスを提供するための、イスラム世界の文化・学術機関、大学、センターのニーズを知ることがこの任務のひとつとなっています。さらに、イスラム世界をはじめとする各国のニーズを満たすために必要な資格を備えた研究者や専門家の育成、イスラム教徒の学術、研究、専門性の向上、人文科学、工学、医学、理学などの専門分野における能力強化、保健・医療教育省および科学技術省との合意事項の枠内で学生を受け入れることなどもこの大学の重要な任務となっています。

アハレ・ベイト国際大学の学生の卒業式

 

アハレ・ベイト大学にはイスラム学、政治学、経営・経済学の3つの学部があり、また一つの研究所を有しています。そこでは、民間法、刑法・犯罪学、イスラム神学、イスラム神秘主義、イスラム史、イスラム経済、国際関係が教えられており、学生たちはそれぞれの分野で学業に従事しています。

この大学の学生は、外国人のみ、また修士課程のみ受け入れており、現在、インド、パキスタン、バングラデシュ、アフガニスタン、トルコ、マレーシア、インドネシア、カシミール、チュニジア、フィリピン、イラクからおよそ400人の学生が在籍しています。

アハレ・ベイト国際大学の学生たち

 

この大学ではまた、イスラム世界で名の知られる教授陣が教鞭をとっています。

お話したように、アハレ・ベイト大学は、独自の特徴を有しています。この特徴の一つに、修士課程の論文が、照合、比較の形で行われるということがあります。つまり、学生たちは研究テーマを自国とイランとで比較するのです。この大学の卒業生の多くは、自国に帰国した後、司法機関の職員や大学教授など様々な職業についています。その理由については、この大学の特別な教育方法によるもの、さらにはこれらの学生の多くがエリート出身であることが挙げられます。

学生は、インターネットで行う二つの試験を通過し、この大学に入学してきます。この大学には、ペルシャ語教育センターがあり、学生らは6ヶ月コースでペルシャ語を習得します。アハレ・ベイト大学は、世界各国に分校を開設しようとしています。

アフリカのマリ出身の31歳のダーヴド・ジャクスィーさんは、イランに来てから4年以上になります。コーラン全章を暗誦し、預言者一門に関する詩を歌う彼は、イランを勉強を続けるために選択した理由として、「預言者ムハンマドの真のイスラムを知るためにイランにやってきた」と述べています。そして、イランはシーア派の国であり、イスラム世界にシーア派思想を広めるためのあらゆる可能性が整えられている国だとしています。この大学の修士課程で、イスラム史におけるシーア派イスラム学を学んでおり、現在修士論文に取り組んでいるジャクスィーさんは、アハレ・ベイト大学の教育施設にとても満足しており、学生へのサービスも非常に充実していると評価しています。ジャクスィーさんは、イランの国や人々にとても満足しており、「自分の国で勉強してるかのように快適だ」と述べています。

ジャクスィーさんは、アハレ・ベイト大学と自分が知っている大学の可能性が異なっているとし、「この大学には自分が勉強したい分野すべてに完全な専門性を備えた教授がいる。これはマリや他の自分が知っている国にはないことだ」としています。この他の特徴として、ジャクスィーさんが挙げているのは、他の国ではその国の言語を学ぶことは非常に困難ですが、イランでは6ヶ月でペルシャ語を習得できることです。彼はイランの人々に感謝の気持ちを示し、「イランで過ごした間、何の問題も起こらず、イランの人々は非常に親切にしてくれた」と述べています。

 

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