イスファハーン大学
今回ご紹介するのは、イラン中部にあるイスファハーン大学です。
「世界の半分」とは、遠い昔からイスファハーンに与えられてきた称号であり、この町はイランや世界でこうした名称で知られています。6000を越える史跡は数百年から数千年の歴史を誇り、、手つかずの自然とともに、世界の人々がこの地域をこのような名前で呼ぶ理由となっています。
この地域の先人たちが残したものは、紀元前3000年期に遡る歴史的、文化的遺産です。、モスク、ゾロアスター教寺院、教会、宮殿、庭園、ミナレット、邸宅、橋、神学校といった歴史的に価値のある建造物がイスファハーンの美しい自然と融合し、この町に世界的な名声を与えました。こうした多くの魅力により、イランや世界各地の人類史の文明や史跡に関心のある人々は、歴史、文化、自然に触れるためこの地域を訪問しています。
イスファハーン大学は、イスファハーン市にある3つの国立大学の一つです、この大学は市の南部、ソフェ山のふもとにあり、広さはおよそ300万平方メートルです。このほかのイスファハーンの国立大学には、イスファハーン工科大学と医科大学があります。工科大学は、市の北部の郊外にあります。イスファハーン大学はイランの最も重要で古い学術・文化機関であり、一流大学の一つとして教育や研究の様々な分野で学術活動を広げています。
現在のイスファハーン大学の創設はイスファハーンの医師団が保健高等教育機関の設立を、自らの努力によって成功させた時代に遡ります。彼らはこの教育機関の創設のために必要な承認を得ました。この機関は実際、現在のイスファハーン大学の最初の核とみなされています。
1946年に保健高等教育機関の設立への承認を受け、この教育施設への応募者が増加し、ソフェ山のそばの土地が大学の建設場所として選ばれました。保健高等教育機関の設立後、1950年に医学部がそのそばに設置されました。1956年、イスファハーン大学のレベル向上に向けた新たな歩みが進められ、医学部に加えて薬学部もできました。
薬学部ができた後、1958年には文学部でペルシャ語・文学と英語・英文学の二つのコースが開始され、1959年にはフランス語、60年にはアルメニア語、61年にはアラビア語、65年には歴史・地理、68年には社会学部が新たに設置されました。1968年末には、イスファハーン大学の全体的な改革により、キュロス大王高等学校がこの大学に統合され、その年には、大学に経営・経済学部が創設されました。
現在、イスファハーン大学は13の学部があり、6学部が人文学、7学部がその他の分野で活動しています。
イスファハーン大学は活動を開始してから現在まで、多くの著名人が学び、また教鞭をとってきました。これらの人物の中で医学部の教授、ホセイン・ジャバル・アーメリー博士がいます。ジャバル・アーメリー博士は、テヘラン大学の数学学科の第1期卒業生で、有名なヘサービー教授の優秀な教え子です。彼はテヘラン大学を卒業後、教職につき、40歳の時に医学部で学びなおすことを決めました。ジャバル・アーメリー博士は、イスファハーン大学に合格し、医学博士号を取得すると、フランスに渡り、小児医学の分野で学びました。彼は長年、イスファハーン大学で教鞭をとっていました。
この他、イスファハーン大学の卒業生で著名な人物は、イランの演劇で喜劇批評の基盤を作ったレザー・アルハーム・サドル、またパキスタンの故ブット首相の母、ナスラト・ブットがいます。イスファハーン大学は知識生産においてイランのトップ20大学に入っており、人文学研究では3位となっています。
最新の統計によれば、2015年、イスファハーン大学には1万5千人の学生が在籍しており、学生数の多い学部の順に、経営、政治、コンピュータ・ソフトウエア、物理、会計となっています。
イスファハーンにある大学の高い学術レベルと重要性により、これらの大学では多くの留学生が学んでいます。2015年には、およそ163人の外国人留学生がイスファハーン大学の各学部で学んでいました。人気のある学部は、コンピュータ・ソフトウエア、政治、医療工学、バイオ電子工学、市場経営、心理学などとなっています。
スリランカ出身のファーティマ・ホメイラさんは、イスファハーン医科大学で学んでいます。イランにきて3年になり、その前は1年間、ガズヴィーンのイマームホメイニー国際大学でペルシャ語を学びました。大学の学術レベルはさることながら、イランは治安が良いこと、イラン人女性がイスラム的装いを守っていること、イスラム教を信仰していることが、イスファハーン大学を選んだ理由だということです。彼女はイスファハーンを美しく平穏な町で、気候もよいとしています。ファーティマさんは、イスファハーン大学を学術的にも非常に発展しているとしています。優れた教授陣と設備がこの大学の特徴であり、イランで勉強を続けられることを誇りに思うとしています。
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