11月 21, 2016 18:37 Asia/Tokyo
  • 家庭形成の目的

今回は、家庭を形成する目的お話することにいたしましょう。

今回は、家庭を形成する目的お話することにいたしましょう。

 

結婚は、人間のごく自然的、本質的な行動であり、人間の基本的なニーズの1つでもあります。様々な社会において、結婚して家庭を築くことにはさまざまな目的や動機が存在します。イスラムでは、これらの動機や目的は、生活するうえでの1つの必須事項とされています。イスラムの視点から見て、結婚に際しての最も重要な動機は、安らぎを感じられる場を作ることとされています。コーラン第30章、ルーム章「ローマ」、第21節には次のように述べられています。

 “神が、あなた方自身から、あなた方のために配偶者を造られたのは、神のしるしの1つである。あなた方は、配偶者とともにあることで安らぎを感じ、あなた方の間には愛と慈しみが生まれる。誠に、その中には考え深い人々にとってのしるしがある”

現代世界において、若者たちは日々の精神的なストレスに悩まされていますが、その最も重要な原因の1つは、適齢期に結婚しないことだとされています。若者たちは結婚の適齢期にある一方で、日常生活の中で、安心が確保できる場所を必要としています。支援者として、常にそばにいることができる、最良の人物は配偶者です。若者たちは、適切な時期における適切な結婚により、安心や健康を得ることになるのです。

結婚は、人間関係を築き、慈しみや愛情を表現する、重要で効果的な手段の1つです。心理学者は、基本的で重要なニーズの1つとして、愛情へのニーズを挙げています。人間は、一生のうちのいずれの年齢期においても、他者からの愛情を必要としており、他人から愛されることを求めています。優しさが効果を発揮して強い愛情へと発展し、精神的に深い結びつきに至ると、夫婦の絆が強まり、家庭環境が親密で温もりのあるものとなります。愛情を注ぎ、また愛されることで満足感が高まり、夫婦間の精神的なコミュニケーションが可能となるのです。

 

結婚に対するもう1つの重要な動機として、身体的、精神的なニーズを満たしあうことによる心身の健康の維持が挙げられます。精神、生活上の安全、相互の支えあい、悩みを打ち明けてともに考えるというニーズが、家庭内で適切な折に正しく満たされなければ、その人の個人的、社会的な生活が大きく損なわれる可能性があります。このため、結婚は人間に安らぎをもたらす上で効果のある重要な要素であり、これによってバランスの取れた人格を維持することにもなるのです。

結婚して家庭を築くことの効果は、道徳的な振る舞いや、精神衛生、親密感や安らぎ、慈しみが生まれることです。このことから、家庭は、独特な、社会の最小単位とされています。結婚することの目的の1つとして、夫婦の成長を促進することが挙げられます。それは、家庭内の親密感や温もり、礼節と愛情にあふれた環境が、社会、文化、道徳における成長や、意見を交換する機会を生み出しているからです。

家族は互いの知識や見解による影響を受けます。この特別な空間では、家族の才能の一部が開花し、責任感の受容や社会性が芽生え、家庭内での交流が人格の成長を促します。さらに、子供をもうけて世代を維持するという欲求も、これまでの全ての時代において結婚という行動が行われてきた、重要な動機と目的に含まれます。

結婚して家庭を形成することは、道徳的でクリーンな社会を築く上で重要な役割を持っています。また家庭の絆を強めるための努力は、社会の一般的な繁栄や健全な道徳を下地を整えます。イスラムの預言者ムハンマドは、結婚により人間は優れた道徳を持つようになるとしており、次のように述べています。

“配偶者のいない男女を、互いに結婚させるがよい。なぜなら、神が彼らの道徳を良きものにするからである”