今回は、健全な家庭における子どもと散歩や旅行のあり方について考えてみることにいたしましょう。

娯楽や趣味は、精神的なニーズの１つであり、生活の多方面に効果的な役割を果たしています。誰でも、自分の年齢や立場に応じ、日常生活に変化を持たせる方法を見出します。このうち、特に重要なのは、両親が家族の計画の中で、こういったものを決める必要性です。

日常生活をバラエティに富んだものにするための方法としては、散歩や旅行、パーティー、そして特に親戚づきあいが挙げられます。イスラムの預言者ムハンマドは、趣味や娯楽の必要性について、次のように述べています。

“楽しみ、遊ぶがよい。なぜなら、私はあなた方の宗教において暴力を目にしたくないからである”

家庭は普通、短期間の旅行に、費用をかけない形で、面白い工夫を凝らしています。自然の中で食事をとったり、家族で遊んだりスポーツをすることで、時には子どもにとって記憶に残る１日となることもあります。

親子が互いに冗談を語り、笑いあうことで、子どもは親に対してより親しみやすい印象を持つようになります。マンネリ化した日常の繰り返しでは、家庭環境が重苦しく耐え難いものとなってしまいます。

若者や、旅行好きな人々は、非常にわずかな時間さえも、未知の場所に行くために活用しようとします。遠隔地や近隣の町、また山すそや荒野の中にも、長い歴史を誇る史跡や花の咲く庭園、湖、民家や宮殿、城砦などが多く存在しており、それらを見学することは一生の思い出に残る楽しい出来事となります。

安らぎに満ちた楽しい日々を送る上で、旅行は生活のニーズの１つといえます。費用がかかることを恐れず、明確な目的地を選び、計画を立てることで、非常に短い期間であっても、家族、特に子どもにとって素晴らしい思い出を作ることができるのです。

旅行に出かけることで、しばしの間休息し、精神的な圧迫感から解放されることができます。旅行によって日ごろの疲れを癒し、生活に変化をもたせることが可能になります。旅行することは、たとえ短期間であっても、いつも多大なエネルギーを消耗している日常生活の喧騒から離れ、心と体の疲れを癒すとともに、配偶者や子どもたちとより多くの時間を過ごせることになります。

旅行をする上で必要なことは、忍耐強く、よく振舞うことです。こうした人は、リフレッシュし、よいエネルギーを得るのにわずかな期間を有効に活用できるとともに、同伴者にも楽しいひと時を与えてくれます。旅先で一緒になった人々との楽しい会話や、集団での散策などは、楽しい思い出として、その後も長く私たちの記憶に残ります。

私たちは、旅行を通して自然の驚異や様々な考え方、様々な人々の慣習に触れることになります。このことは、私たちの思考面での成長に大きな効果をもたらします。これについて、預言者の伝承には、次のように述べられています。

「旅をすることで財産が得られなくとも、あなたの思考力は確実に増すだろう」