サマヌー(麦芽のお菓子)
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サマヌー
今回、ご紹介するイラン料理は、「サマヌー」(麦芽のお菓子) です。
モヤシについて、現在、専門家はその栄養を強調し、食卓に必要なものとしています。実際、モヤシは野菜の一種として、ビタミンやミネラルの豊富な栄養価の高い食物とされています。
麦を発芽させた麦モヤシ、つまり麦芽は、ビタミンE、B群を豊富に含んだ栄養価の高い食物です。今日、ビタミンEは、万能薬のような存在と言われています。麦芽に含まれるマグネシウムは、癌の予防に効果があるとされています。美容の専門家によれば、麦芽は育毛やふけ、顔の吹き出物や皮膚のトラブルに効果的だということです。さらに、便秘、乾燥、倦怠感、高いコレステロール値、筋肉痛に悩まされている人にも麦芽がいいとされています。
数千年前から、イラン人は麦芽の存在を知り、それを利用していました。イラン人は、伝統的な慣習として、春の訪れの際には必ず、麦芽をサマヌーというお菓子の形で、ハフトスィーンの食布に並べてきました。
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それでは、非常に栄養価の高い食べ物であると共に、春の訪れと共にやって来る、イランの新年には欠かせないお菓子「サマヌー」のレシピをご紹介しましょう。
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【サマヌーのレシピ】
<材料>
・小麦 ・・・1kg
・小麦粉 ・・・3~4kg
・皮付きのピスタチオ、またはヘーゼルナッツ、またはアーモンド ・・・適量
<作り方>
①小麦をよく洗い、2日間水に浸しておきます。この間、何度か水を取り替えてください。水に浸けておくと、小麦が発芽してきます。
②2日経ったらザルに上げ、水を切ります。水で湿らせた清潔な布で小麦を包み、お盆に乗せて、比較的温かいところに1日~2日置いておきます。
※1日に1、2回、布が乾かないように水を振りかけます。このとき、水が多すぎると、小麦が発酵し過ぎてしまうので注意しましょう。
※2日後には、小麦が根を出してきますので、布を取って容器に移します。その後、再び湿らした布を小麦の上にかけ、日に1,2回、水を振り掛けます。
※小麦が成長したら、布を取ります。発芽した茎の部分が銀色になったら、緑色になる前に、それを使います。ここまでが、準備段階です。
③サマヌーを作るには、まず、銀色の麦芽をブレンダー(ミキサー)やフードプロセッサーにかけます。そしてそれを容器に入れ、水を注いで、よくかき混ぜます。
④(③)をザルでこし、ザルに残った麦芽を両手でしぼって、麦芽の液体をとります。
⑤容器の中に小麦粉を入れ、先ほどこした麦芽の液体(④)を、少しずつ加えながら、だまが無くなるまでかき混ぜます。(完全に中身がさらさらになるまで、液体を加えてください)
⑥(⑤)を火にかけます。沸騰し、中身がねっとりとするまで、よくかき混ぜましょう。(かき混ぜないと、すぐに鍋底にくっつきます)
⑦水分が蒸発し、うっすらと茶色がかってくるまで、中身をかきまぜ続けましょう。少しずつ水を加えて、またよくかき混ぜます。
⑧弱火にし、完全に濃度が濃くなるまで、攪拌を続けます。
⑨皮付きのピスタチオ、ヘーゼルナッツ、アーモンドのいずれかを加えて、20分~30分ほど火にかければ、サマヌーの完成です。
※この料理には砂糖や油を一切加えません。それは、麦芽が自然の甘味と油脂を有しているためです。サマヌーはイランの伝統料理で、特に子供にとって非常に栄養価の高い、優れた食べ物と言えるでしょう。
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