May 14, 2017 16:55 Asia/Tokyo
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今回は、SNS・ソーシャルネットワークが現代人の生活にもたらしたプラスの影響について考えることにいたしましょう。

現代の世界におけるソーシャルネットワークの役割は、極めて重要で影響力が大きく、決してこれを無視することはできません。この先進技術は、出現してまだ間もないものの、人々の生活に巧みに入り込んでいます。フェイスブックやユーチューブ、ツイッター、ウィチャット、ラインなどのソーシャルネットワークは、近年における最も利用者の多いメッセージ発信システムとされています。これらは、短期間のうちに子供の遊び道具や家族ぐるみのつき合い、家庭における家族の団欒や語らいに取って代わってきています。

中立的な視点でSNSの利用法について検討すると、この文明の利器はその利用法によってメリット或いはデメリットをもたらすことが分かります。今回は、このSNSが持つ利点について考えてみることにいたしましょう。

 

SNSの出現により、バーチャル空間における新しい生活様式が出現し、人々同士の関係は旧来のものとは大きく変貌しました。こうしたSNSでは、ユーザーは自分の個人情報を登録して加盟手続きを済ませた後、共通の空間に写真やコンテンツ、コメントなどを掲載するといったマルチメディア的な可能性の助けにより、他者とのコミュニケーションの範囲を拡大します。もっと単純な言い方をすれば、SNSは自分の興味関心のある事柄や考え、活動などを他人と共有したいと考えるユーザーに対し、それらを実行できる可能性と場所を与えてくれる、ということになります。ユーザーはSNSにより、長い間音信不通となっていたり、また遠隔地に住んでいる友人を探し出して、彼らとの連絡を再開できるのです。

バーチャル空間にいることによる最も重要な効果は、情報知識や見識の拡大、そして情報伝達が円滑化されることです。この先進技術や、インターネット上の教育的空間を利用することにより、一般的な情報知識のレベルの向上に加えて、さらに高いレベルでの教育が可能になります。例えば、教育職に就いている人々や、業務上の研修を受けている人々に対する、SNSによる教育は、SNSの教育的な側面を活用した代表的な例であり、しかもこうした方法により、教育に必要な物理的空間や費用が節約できるのです。

バーチャル空間上のもう1つの利点として、政治的、地理的な国境がなくなることが挙げられます。今日、世界各国の人々は、バーチャル空間に入ることで、自分の見解や信条、考えなどを他人と共有することができるようになっています。インターネット空間では、ユーザーは何のトラブルもなく自分の考えを表明でき、自分の家族や学校の教師には打ち明けられないような悩み事なども、気楽に打ち明けることができるのです。

さらに大きな次元で考えると、SNSのユーザーは自分の国の政治や政策などについて、他人と意見を交換できます。例えば近年、アラブ諸国における国民的な民主化運動などに対する、人々の政治的、社会的な参加の度合いを向上させた原因の1つは、SNSの多数のユーザーが独裁政権に反対する抵抗運動への参加を求めてバーチャル空間に入り込んだことにあります。

 

SNSが持つもう1つの重要なメリットは、人々の社会参加が高まることです。SNSにおいて、ユーザーは常に直接、或いは間接的に社会、民政、スポーツなどの活動への参加を奨励されています。様々なコミュニティーへの参加の質と度合いに対する、SNSの効果は計り知れないものであり、最近ではSNSの多くが様々な分野における市民の参加の拡大を目的に立ち上げられています。そうした例の1つとして、SNSが社会の様々な階層の人々に自然保護への協力を求める目的で利用されていることが挙げられます。

バーチャル空間が持つもう1つのプラスの効用として、人々の見識の向上が挙げられます。つい数年前までは、この役割は映像メディアや文章メディアの範囲内と見なされていましたが、現在ではマルチメディアとしての可能性を持つSNSが、社会の啓蒙に積極的な役割を果たせるようになっています。ユーザーは、この新たな空間において検閲されないニュースを見ることができるとともに、情報の作成と発信に積極的な役割を果たしており、彼らはもはや単なる受動的な視聴者ではなくなってきているのです。

SNSでは検閲が全くなされないことから、旧来のメディアよりも正しくない捏造された情報が拡散される可能性があるものの、実はこのことはメリットにもなりえます。21世紀のユーザーは非常に賢く、SNSにより生産、発信される情報のすべてを鵜呑みにしてはいけないことを熟知しています。このため、その他のニュースもキャッチすることで、こうしたネット上に公開される情報とは違う情報も受け止め、これについて考えるように努めています。このことにより、社会問題に対する彼らの視点や批評の力がより奥深いものとなります。SNSというこの先進技術は、ユーザーに対し盲目的な服従や迎合から離れ、長期的に見て彼らが批判的な見識を持つチャンスを与えているのです。

さらに、SNSの利点として、このシステムでは人々同士のコミュニケーションに時間がかからず、またユーザーがこのバーチャル空間にいることで、同時に複数の人々とコミュニケーションが取れることが挙げられます。

 

また、SNSは宣伝によって収益を上げるための重要な源の1つです。それは、ユーザーが自分に関係のあるサイト上において、自分の関心のある事柄について発言でき、このことにより宣伝企業がそうして提示された興味関心に基づいて、宣伝広告を送付できるからです。

商業的なコマーシャルに加えて、ネット空間上での宣伝のもう1つの側面は、それらによる人間的、倫理的な価値観のアピールです。これまでにほとんど利用されなかったSNSの可能性の1つは、宗教的、人間的、倫理的な価値観のアピールを目的とした国際的な空間の形成という機能です。SNSの利用者の多くは、倫理的、人間的な価値観の宣伝内容が正しい場合には、これを歓迎し、感化されると思われます。このように、SNSは宗教的な概念や倫理的な教えを伝播させることのできる様々な機能を有しているのです。

 

職場にSNSを立ち上げることは、その職場で働く人々の業務上の能力の向上に効果をもたらします。この先進技術の利用により、その職場で働く人々がより能率的、かつ容易にコミュニケーションをはかることができると同時に、集団での協力の効果も上がります。SNSにより、働く人々の間の協力も進み、問題の解決も迅速化されます。これまでに行われた調査によりますと、内部情報の獲得プロセスの改善や、職場のほかのスタッフの経験の活用、社内スタッフのモチベーションの向上に効果があることから、彼らはこの先進技術を利用するよう奨励されています。さらに、多くの企業は大手のSNSに社員のアカウントや個人用のホームページを設けることで、そのほかのユーザーや顧客、さらには他の企業とも交流をもち、自らの活動を推進しているのです。

人類が残した業績や先進技術は、人間の福祉や安らぎを保証することを狙いとしています。それらは、現在までに人間の生活において重要な役割を果たすとともに、業務の迅速化を実現させています。さらに、現代人の生活に大きな変化を起こしており、SNSの普及によって、インターネットサイトの役割さえもごく最近と比較して影が薄くなってきています。それは、SNSのお陰で世界中どこにいても移動通信手段により、他人と容易にコミュニケーションがとれることにあります。実際に、ウェブサイトの新世代が人間のコミュニケーションに新たな形式をもたらし、相互のコミュニケーションを大幅に円滑化したといえるでしょう。

 

もっとも、こうした先進技術が人類に数多くの利益をもたらしたとはいえ、同時に弊害も生み出しており、このツールに盲目的にのめり込んではならない、ということを認識する必要があります。SNSは、多くの効用とともに、世界の人々の文化や趣向を、このツールを生み出した国の趣向へと変化させています。さらに、伝統的な社会の文化や信条に疑問を提示し、時には人間的、宗教的な価値観を踏みにじり、人々の安全を乱しているのが現実です。