May 16, 2018 20:58 Asia/Tokyo

イラン西部、特にハメダーン、ケルマーンシャーといった都市に行くバスは、大変特徴のある場所に止まります。その途中の休憩所では、陶器を売る店が数多く存在します。陶器はさまざまなサイズや色、デザインのものがあり、芸術愛好家を魅了しています。

 

 

 

IRIB通信記者はラーレジーンについて、次のように語っています。

「おそらく、誰でも、ラーレジーンがイランの陶器の中心地ということを知っており、国外では、イラン国内よりも有名でしょう。この町は陶器の輸出に関して最大の町で、この町を訪れると、大きな広場に陶芸家の像が立っており、その横に青いつぼがあり、これは写真家にとって興味深い光景です」

 

 

ラーレジーンが2017年の世界陶芸都市になったことへの祝祭は、この都市の中で行われました。その年の初め、WCC・世界手工芸評議会の関係者は町の状況を調査するため、ラーレジーンの工房や陶芸品店を訪れ、世界陶芸都市として登録しました。

 

ラーレジーンの世界陶芸都市登録、WCC関係者とともに

 

実際、ラーレジーンは、中東の陶器生産における中心地として知られています。ラーレジーンの人口の8割は陶芸やセラミック関連の仕事、または陶器の売買に従事しています。ラーレジーンは陶芸の歴史やその質により、世界的な名声を博しています。そこで作られる陶器は大変多くの国に輸出され、世界で支持を得ています。

 

 

アラブ諸国の訪問客は、イスラム的な絵柄の陶器を求めており、食器やつぼ、花瓶などをお土産として持ち帰っています。欧米諸国への装飾用陶器の輸出も、広く行われています。欧米諸国では、イランの昔からのデザインや、格子状のデザイン、草花模様のものが人気です。

陶器を焼く際に、昔は砂漠の周辺に生えているとげのある草を利用していましたが、後にコールタール、その後、石油が使われるようになりました。ラーレジーンには、大小の陶芸工房があり、観光客がここを訪れています。

 

 

また、陶器を作るうえでの粘土がどのようにして供給されているかについて触れたいと思います。この粘土はダストジェルドという村の周辺から採られ、工房に運ばれます。粘土は水を混ぜて、大きな保存用の容器の中に入れ、数段階を経て、分厚いレンガ状の形に整えた後こね回します。

陶芸家がろくろを回して作業をする様子はとでも興味深いものです。実際に、巧みな職人の手で粘土のかたまりが見る見るうちに形づくられ、それが次第に最終的な形になることは、人間の想像力に対する驚きを伝えるものなのです。

 

 

陶芸家は、形を作った後、その器にうわぐすりをかけます。うわぐすりは、酸化金属を配合して作られます。

陶器はそれぞれ、特定の方法で過熱され、うわぐすりが使われます。たとえばラーンジーンルーと呼ばれるタイプの陶器は、うわぐすりをかけた後、釜に入れます。また、ディーズィールーと呼ばれる素焼きのタイプは、うわぐすりをかけません。水を入れる瓶は素焼きで作られ、一方で酢やジャムを入れるつぼには、うわぐすりがかけられます。

また、ラーレジーンの陶器の粘土が、ここから5キロ離れたダストジェルド村から取れるとお話しましたが、この村の人々は、ラーレジーンの人々と同じように、トルコ語系の言葉を話します。この村の人々は主に農業や牧畜業に従事しています。

ダストジェルディ村に部分的にオートメーション化されている仕立て屋が多いことは、大変興味深いことです。この村はこうした産業の中心になりつつあり、発展が期待されています。

その他、ラーレジーンから2キロの距離にあるダハンジェルド村も、大麦やとうもろこし、ジャガイモ、キュウリ、ブドウといった農作物が豊富に取れる村のひとつです。金色のぶどうがたわわに実るこの村の光景は、驚くべきものです。

 

 

イランの芸術に興味を持っている人には、ラーレジーンを訪れ、色とりどりの陶器を作る工房を見ることをお勧めします。また、多くの人々がこのような場所を訪れ、イラン芸術の宝が広く知られることは、大変望ましいことでしょう。

 

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