2018年 7月 6日(芝田・中村)【音楽】
2018年 7月 6日(芝田・中村)【音楽】
芝田
ところで中村さん、最近は本当に暑くなってきました。
中村
そうですよね。今年は夏の初めに雨の降る日が多くて、涼しかったので、一気に最高気温が40度近くなって暑さがこたえますよね。
芝田
車の中に置いてあったボールペンが溶けてしまったりするらしいですね。
中村
ボンネットでは目玉焼きができるらしいです。去年も、テヘランではありませんでしたが、南の方では最高気温が50度を超えて、外に置いてあったサンダルがとけたり、信号機のカバーが曲がってしまったり、日本では考えられない暑さですよね。まあ、日本とは違って湿度が低いので、夜になって日が落ちると、過ごしやすいですよね。夜中は窓を開けて寝ています。
芝田
確かに昼間は本当に日差しが強くて焼け付くよう、という形容詞がピッタリですが、日陰に入るととたんに涼しく感じますし、夜は日本のように寝苦しい、というのがあまりないですよね。夜になると公園でピクニックや散歩を楽しむイラン人の姿が増えました。涼しくなるから、みんな日が沈んだ後に出掛けるんですよね。私は最近、夜は毎日、ワールドカップの試合を観ています。イランは日本と違って、時差の関係で、夕方から夜にかけてのちょうどいい時間帯に放送されるので、ついつい観てしまいます。それにしても、月曜のベルギーとの試合は本当に残念でした。中村さんはご覧になりましたか?
中村
観ましたけど、惜しかったですね。
芝田
日本が2点をリードしたときには、何人かのイラン人から電話がきて、みんな大興奮でした。まさか日本がベルギーから2点も取るなんて、と言われました。ちょっと試合を観たかったので、返事はおろそかになってしまったんですけれど、イランのテレビの解説者たちも、すごく面白いいい試合だったと言っていました。負けてしまったのは残念でしたが、いい試合を観ることができたのでよかったです。勝っていればもっと楽しかったんでしょうけど。

●リスナーより
「今日のよもやま話では、サッカーイラン代表のことを興味深く拝聴させていただきました。日本ではほとんど取り上げられない話題ですので、代表の選手がオランダなどの欧州リーグで目覚しい活躍をしていることなどを知ることができて、とても有意義なものでした。今回のワールドカップで、イランは強豪国のひしめくグループに入っていますが、予選リーグを突破されることを祈っております。日本代表ともども、応援していきます」
●ラジオより
芝田
ありがとうございました。またまたワールドカップの話題ですが、イランは残念ながら、1次リーグで敗退してしまいました。終わってからも、イランは勝てたんじゃないか、行けたんじゃないか、と悔やむ声がしばらく聞かれていますよね。中村さんはイラン代表の試合をテレビで観ましたか?
中村
私はサッカーの試合は90分も緊張しているのに疲れてしまうので、離れた部屋で声だけ、ゴールを入れたときに走って見に行ったりしました。子供は応援しすぎて数日は声がかれてしまったほどでした。
芝田
今回のワールドカップ、イランは開催前からもかなり盛り上がっていて、期待も高かったんですが、それに選手も見事に答えた感じでした。1次リーグの最終戦、ポルトガルとの試合が終わって、1対1で引き分けて敗退が決まった後も、私の家の近所では朝の5時くらいまで、車がクラクションを鳴らしたり、道路で人々が喜んでいて、ずっと眠れませんでした。
中村
そうなんですよね。イランでは勝っても負けても引き分けても外で大騒ぎですよね。楽しそうです。知らない人からお菓子をもらったりもしますよね。
芝田
今回のワールドカップでは、アーザーディスタジアムでパブリックビューイングが開催されたそうです。1万人以上を収容できるスタジアムですし、なんと言っても、男女が一緒に公の場所で応援できる、ということで、本当に大勢のイラン人がスタジアムに出かけたと聞きました。私の友人は、スタジアムで観戦したかったのに渋滞でたどり着けず、試合の3時間前にでかけたのに前半を逃してしまったと言っていました。
中村
渋滞でたどり着けなかったとは、残念でしたね。テヘランは渋滞していますものね。私のうちはテヘランの西の方でスタジアムに近いので、試合の前後は旗をはためかせた車が走っているのをよく見ます。試合の後は危なくてスタジアムの近くには近寄れませんよね。イランの人は熱狂的な人が多いですし。
芝田
仰る通り、本当にイラン人は喜ぶのが大好きですし、もともと陽気な人たちで、国民のイベントとなると大いに盛り上がりますよね。何はともあれ、いろいろな意味で楽しむことができました。
●リスナーより
「メールが主流の時代となりましたが、エアメールがすきなので、今回は郵送でメッセージを送らせていただきます。6月となり、こちらも暑くなってきました。職場でも自宅でもエアコン解禁で、今年もじめじめの季節到来です。私は普段、一日中屋内で働いているので、ふと休みの日に出かけると、日中の気温の高さに驚くことがあります」
●ラジオより
芝田
葉書を送ってくださったのは、梅雨の時期だったようですね。イランにいると、6月から9月くらいまでは、ほとんど毎日、ずーっと晴れの日が続くので、日本にいたときにはあれほど嫌いだった梅雨を懐かしく感じることがあります。
中村
そうなんですよね。離れているといいところだけを思い出すんですよね。でも洗濯物を干していると、日本だったらこんなすぐには乾かないだろうなとありがたみを感じています。梅雨時期の食中毒なんかもありませんしね。
芝田
確かにそうですね。お風呂のカビに困ることもありませんし。ところで、今回は葉書でお便りをいただきました。私は最近、ほとんど手紙を書くことがなくなってしまいました。中村さんはどうですか?
中村
ないですねー。特にこちらへ来てメールが普及するようになってからは、届かないかもしれない郵便ではなく、メールになってしまいました。
芝田
郵便代がある時期からずいぶん値上がりしましたしね。でも手書きのお便りをもらうと、やはりメールなどとは違った趣があるなとは感じます。手紙とは違うのですが、私は先日、高校の友人から手書きのメモを渡されたのですが、それを見て、高校のときと字がまったく同じだったんです。本当に懐かしくて、当時のことを思い出したりしました。日本人は、字に人柄が表れる、と言いますが、イラン人もそうでしょうか?
中村
あんまりそういったことは言わないようですね。ただ、男の子は特に字の汚い子が多くて、小学校の先生が、せめて読めるくらいの字を書いて、とおっしゃっていました。
芝田
イラン人、というかペルシャ語にも書道がありますよね。学校の授業では教えてはいないですか?
中村
ときどき、図画工作の授業の時に先生によっては書道を教えることもあるようです。小学生ではまだ、ペンを使わず、鉛筆で、中学校以降になると、本格的なペンを使った書道を習っていましたが、これは娘が子供の時でもう10年も前のことですから、今はやっているかどうか分からないですね。
芝田
でも書道があるということは、字のきれいさというか、そういうものが大切にされている証拠かもしれません。
中村
大人になっても、この人は字がきれいだとか、汚いとかはよく言われますよね。やはり気にする人が多いんでしょうか。
芝田
字がきれいだと褒められたりしますしね。ペルシャ語は独特のカーブがあって難しそうですが、私もいつか書道に挑戦したいと思っています。

●リスナーより
「戦場でも断食を行うのですか?」
●ラジオより
芝田
さて、イランではようやく、半月ほど前に断食月が終わりました。暑い中での断食で大変だったと思いますが、以前にはロンドンオリンピックでスポーツ選手の断食が話題になったこともありました。今回は戦場でも断食を行うのか、というご質問ですが、中村さん、ご存知ですか?
中村
30年前に兵役にいった主人に聞いてみましたら、断食、やるんだそうです。
芝田
私も周囲のイラン人に尋ねてみましたが、イラン・イラク戦争の当時、前線でも戦士たちが断食をしていたそうです。ほとんどの人がやっていたところもあったようです。戦えるのかと心配になってしまいますが、もうきっと精神力になるのでしょうか。
●リスナーより
「イランの個人住宅の庭木の管理は、住んでいる人が行うのが一般的なのでしょうか? 造園業者に手入れを依頼して行う方が今は多いのでしょうか」
●ラジオより
芝田
ということですが、個人住宅の庭木の管理、私はあまり見たことがありません。というのも、イランの住宅は、ひとつの建物にいくつかの世帯が共同で住むスタイルのアパートと呼ばれる住居が多くて、日本とは少し住宅のスタイルが違いますよね。そういう家の庭木の手入れはどうしているのでしょうか?
中村
アパートだと、水やりくらいは住民が手分けしたり、花が好きな人が率先してやったりしますが、大がかりに花を植えたりするのは、業者に頼むこともあるようです。時期になると、バイクの後ろにカートをつけた車が家々を訪ねて、花、いりませんか?と言ってきますよね。
芝田
あ、見たことがあります。
中村
造園業者とまではいえませんが、頼めば植えることまでやってくれます。テヘラン市内は一戸建てが減りましたが、やり方はアパートと変わらないようです。
芝田
そうなんですね。道路の植え込みの木は、市役所の人たちが監督して剪定したりしているのを見たことがあります。