イラン料理;マルメロ
今回は、マルメロという果実のお話しを致しましょう。
マルメロは、ヨーロッパや地中海、北アフリカ、アジアの多くの地域で栽培されています。またイラン北部、コーカサス、サウジアラビア南東部では、野生種が見られるため、マルメロの原産地は、これらの地域と言われています。この植物の葉は、単純な形をしており、細かな毛で覆われています。花は大きく、白か薄いピンク、果実はオレンジより少し大きく、柔らかな毛で覆われています。また粘液質の種を有しています。
果実の色は、熟すと黄色になり、芳香を放ち、甘味と酸味があります。マルメロはイラン各地で栽培されていますが、特にイスファハーンのものが、品質も香りも高いものとなっており、近隣諸国にも出荷されています。
マルメロは、ビタミンC、鉄、カリウムを含んでいます。さらに、ビタミンA、B、有機酸、タンニンが豊富です。100グラム当たり112キロカロリーで、リンゴやナシと同様、ペクチンを含んでいます。このペクチンは、血中のコレステロール量を低下させ、消化器の働きを促す効果があります。また、タンニンが豊富であることから、下痢や食あたりに非常に効果的です。この場合、40グラムから50グラムのマルメロを細かく切って、1リットルの水で15分間煮たものを飲むとよいでしょう。
マルメロの薬効として、心臓や神経の働きを強化することが挙げられます。さらに、胃のむかつきや唾液を抑えたりします。また、胃腸や喉の炎症、女性特有の不調を解消する上でも効果的です。
マルメロの種を水に浸けたものは、喉の痛みや咳を抑える効果があり、他にも、整髪料や洗濯用ののりにも使われています。また外用薬として、やけど、日焼け、しもやけ、あかぎれや唇の荒れなどに使用されます。この場合には、100グラムから150グラムのマルメロの種を1リットルの水で煮だし、一日に数回、患部に塗ります。
果実に生えている細かな毛は、消化されにくく、喉に害を与えます。このため、マルメロを食べる前には、けばを取るようにしましょう。マルメロの果実は、生、あるいは調理した形で、缶詰やゼリー、ジャム、シロップなど、さまざまな形で食されています。
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