1月 04, 2021 20:27 Asia/Tokyo

コーラン第34章サバア章サバア、第6節~第9節

   慈悲深く、慈愛あまねき、アッラーの御名において

 

第6節

「知識を与えられた人々は、汝の主から汝に下された事柄を、賞賛に値する偉大な神の道へと導く真理であると見なすだろう。」

 (6)وَيَرَى الَّذِينَ أُوتُوا الْعِلْمَ الَّذِي أُنْزِلَ إِلَيْكَ مِنْ رَبِّكَ هُوَ الْحَقَّ وَيَهْدِي إِلَى صِرَاطِ الْعَزِيزِ الْحَمِيدِ

 

第7節

「また、不信心に走った者たちは言った。『あなた方が[墓場で]粉々になった後、新たな創造を得ると伝える人物のもとへと、あなた方を案内するのか』」

(7)وَقَالَ الَّذِينَ كَفَرُوا هَلْ نَدُلُّكُمْ عَلَى رَجُلٍ يُنَبِّئُكُمْ إِذَا مُزِّقْتُمْ كُلَّ مُمَزَّقٍ إِنَّكُمْ لَفِي خَلْقٍ جَدِيدٍ

 

これ以前の節では、復活を否定し、コーランの節を否定することによって人々を迷わせようとする人々について語っていました。この2つの節は次のように語っています。「知識と思想の持ち主は、汝に下された節についてよく考え、その真理を悟る。彼らは、神の導きに達する正しい道は、コーランの節に注目することだという結論に至る」

 

神の預言者ムハンマドの時代、啓典の民の学者たちの一部は、先入観や偏った考え方を捨て、預言者ムハンマドに信仰を寄せてイスラム教徒になりました。歴史を通して、多くの学者たちが、コーランについて詳しく研究した上で、その偉大さと真理を認め、自分もこの啓典と思想の信者になっています。このような人々に対し、コーランと預言者の使命を否定するために、復活の問題を提起する人々も常に存在してきました。彼らは侮辱し、嘲笑してこのように言います。「彼こそ、“人間は墓場で腐って土になった後、再び土から生まれ、新たな生を始める”と主張する人物だ」と。このような人々は、人間と世界の起源である神を否定することができないため、復活を否定します。彼らはこれによって、人々が預言者を信仰したり、宗教の指示を実践したりするのを妨げようとしています。

 

第6節と第7節の教え

  • 宗教を人々の無知から生まれたものだとする人々の考え方に反し、歴史の中で、多くの学者たちが、イスラムの真理を悟り、それを認めています。
  • 神の預言者たちの道は、現世で信仰を持つ人々の栄誉と誇りの源です。
  • 神の預言者たちの道に反対する人々は、論理や理性を利用するのではなく、嘲笑や侮辱によって、人々の前で預言者たちの人格を損ない、彼らに傾倒させまいとします。

 

第8節

「彼は神について偽りを言っているのか、それとも気が狂ってしまったのか。[そうではない、]来世を信じない人々は、遠い迷いと責め苦のなかにいる。」

(8)أَفْتَرَى عَلَى اللَّهِ كَذِبًا أَمْ بِهِ جِنَّةٌ بَلِ الَّذِينَ لَا يُؤْمِنُونَ بِالْآخِرَةِ فِي الْعَذَابِ وَالضَّلَالِ الْبَعِيدِ 

 

第9節

「彼らは天と地にあるもの、彼らの前後にあるものを見なかったのか? 我々は、彼らを大地に沈めることも、空の一部を彼らの頭上に落とすこともできる。まことにこの中には、罪を悔い改める僕にとっての教訓がある」

(9)أَفَلَمْ يَرَوْا إِلَى مَا بَيْنَ أَيْدِيهِمْ وَمَا خَلْفَهُمْ مِنَ السَّمَاءِ وَالْأَرْضِ إِنْ نَشَأْ نَخْسِفْ بِهِمُ الْأَرْضَ أَوْ نُسْقِطْ عَلَيْهِمْ كِسَفًا مِنَ السَّمَاءِ إِنَّ فِي ذَلِكَ لَآيَةً لِكُلِّ عَبْدٍ مُنِيبٍ

 

死後の生を否定し、預言者に反対する人々は、このように言っていました。「このような主張は偽りである。そのような主張を行うとは、この男は神について嘘を言っているか、気が狂っている。理性的な人間が、そのような主張を行うことはできないはずだ」

神はこのような人々に対し、次のように答えています。「預言者は偽りを言っているのでも、気が狂っているのでもない。あなたたちの方こそ、深刻な迷いに陥っていて、真理の言葉を受け入れようとせず、最後の審判を否定すれば、預言者が伝える責め苦を逃れられると考えている」

 

神は続けて、このような頑なな不信心者に対して次のように語っています。「あなた方は、天と地がどのような力によって創造されているのかを見ないのか?このような壮大なものを天と地に創造することができる神にとって、あなた方人間を再び創造することは不可能だろうか? 本当に神の力に疑いを抱き、そのように否定するのか? 神は大きな大地の揺れによって、あなた方すべてを大地に沈ませることができないだろうか? また、天から石を降らせ、あなた方とあなた方の家を消滅させることもできないのか?」

 

賢い人間であれば、これらのことは可能であることを理解しており、世界各地でそれが起きていることを知っています。それなのになぜ、一部の人々は、過去や未来に注目せずに、現在のことだけを見て、最後の審判を否定するのでしょう?

 

第8節と第9節の教え

  • 一部の人間は、神を、創造世界の起源や創造主として認めていますが、復活を受け入れようとはしません。それによって、神の指示に従ったり、それによる責任を受けれたりするのを避けるためです。
  • 来世を信じないことは、さまざまな逸脱の原因となり、さらなる迷いに陥ります。
  • 創造の偉大さについてよく考えることは、創造主である神への信仰を高めると共に、復活を信じる源となります。
  • 人間は、地震などの自然災害に対して無力であるのに、どうしたら、神の大きな責め苦を逃れることができるのでしょうか。
  • 創造世界について深く考えることで、人間は神に従おうとします。また、人間を他人への依存から解放し、神に服従する源となります。