ペルシャ語ことわざ散歩(28)「象の鼻から落ちる」
このシリーズでは、イランで使われているペルシャ語の生きたことわざや慣用表現などを、毎回1つずつご紹介してまいります。
今回ご紹介するのは、「象の鼻から落ちる」という慣用表現です。
ペルシャ語での読み方は、Az damaagh-e Fil oftaadanとなります。
この慣用句は、傲慢になって威張り、偉そうに振舞っていることを意味します。この慣用句の由来は、「ノアの箱舟」の出来事だと言われています。
40日間大雨を降らせる前に、神が預言者ノアに命じて箱舟を造らせ、地球上の生物をそれぞれ1つがいずつ箱舟の中に入れて守るよう命じた話は、皆様もご存知かと思います。話はここから始まります。たくさんの動物や生物を連れてきたがために、箱舟の中は動物たちの排泄物であふれ、箱舟に乗ったほかの人々があまりの悪臭に不平を言い始めます。すっかり困り果てた預言者ノアに対し、神は象の背中に手を置くよう命じます。
すると、象の鼻から豚が落ちて出てきて、あれほどたくさんあった動物たちの排泄物をあっという間に平らげ、箱舟の中はきれいに片付きます。
最大級の陸上動物とされ、百獣の王であるライオンをも怖気つかせる象の鼻から、卑しい存在としての豚が出てきたことから、豚にしてみれば自慢できることだと解釈され、このことから、象の鼻から落ちることが「自慢し、傲慢に、偉そうに振舞う」意味を表すようになったと言われています。
このように、ペルシャ語にも動物が出てくることわざや言い回しは数多く存在します。これからも、そうした表現をたくさんご紹介してまいります。どうぞお楽しみに。
ラジオ日本語のユーチューブなどのソーシャルメディアもご覧ください。
https://twitter.com/parstodayj