トランプ氏のアジア歴訪の目的は?
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トランプ米大統領は26日、ASEAN首脳会議が開かれるマレーシアを皮切りにアジア歴訪を開始しました。
(last modified 2025-10-27T06:55:56+00:00 )
10月 26, 2025 19:17 Asia/Tokyo
  • トランプ米大統領
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トランプ米大統領は26日、ASEAN首脳会議が開かれるマレーシアを皮切りにアジア歴訪を開始しました。

【ParsToday国際】トランプ大統領は26日にマレーシアに到着し、政権2期目初となるアジア歴訪を開始しました。この5日間の旅程では、マレーシア、日本、韓国への訪問を予定しており、そのハイライトは、米中貿易戦争の激化が続く中で予定されている中国の習近平国家主席との会談です。

今回のトランプ氏の歴訪は、単なる外交行事ではなく、アメリカと中国の戦略的および経済的な競争を象徴するものとなっています。この訪問は、貿易戦争の緊張をコントロールできるのか、あるいはそれをさらに悪化させるのかの分かれ道となり、世界市場や地域政治に大きな影響を及ぼすと予想されます。投資家の観点から見ると、この訪問で予定されている会談は、関税政策や国際貿易の変化の兆しと見なされ、地域のリーダーたちにとっては、経済安全保障や協力のチャンスまたは脅威と捉えられるでしょう。

トランプ氏は最初の訪問国マレーシアでは、イブラヒム首相と会談するほか、東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議でビジネスディナーに参加する予定です。また、カンボジアとタイの和平協定署名式に出席し、自身が仲介役を果たしたとアピールするものと思われます。このような活動を通じて、アメリカの地域における影響力を示すことが目的です。

日本では、就任したばかりの高市首相と会談し、伝統的な戦略的パートナーシップを強化する一方で、アメリカがアジア・太平洋地域で力の均衡を保つために動いていることを誇示するねらいです。その後、韓国では、APEC首脳会議で各国のリーダーたちに向けて演説し、韓国、日本、さらには中国との合意を最終調整するための交渉を進める予定です。

トランプ大統領と習近平主席との会談は、今回の訪問のハイライトであり、両国間の経済関係の今後の方向性を決定づける可能性があります。トランプ大統領は、アメリカの経済的利益と貿易のバランスを取る必要性を強調し、中国に対して明確なメッセージを送る予定です。それは、アメリカは合意に向けて準備は整っているが、それはアメリカにとって有利な条件の下でのみ可能であるというものです。短期的には緊張を高める可能性がありますが、これにより両国間の経済ゲームのルールを再定義し、真剣な交渉の機会を生むことになります。

現在、アメリカと中国の関係はかつてないほど複雑であり、中国経済の急成長はアメリカにとって深刻な脅威となっています。アメリカは、アジア市場での自国の立場を確立しようとし続けています。テクノロジー輸出の制限、アメリカ市場における中国企業の禁止、重要産業に対する制裁などの政策が採られる中、今回のトランプ氏訪問は非常に敏感であり、その結果は経済問題にとどまらず、地域や世界の政策にまで影響を及ぼすことが予想されます。

この訪問はまた、アメリカの外交政策が再び世界の主要な経済大国との直接的な交渉に焦点を合わせることを象徴しています。日本や韓国のリーダーとの会談は、地域的な同盟を強化し、中国の影響力を抑制しようとするトランプ大統領の意図を示しています。さらに、いかなる誤った動きや不適切な決定も、世界貿易に新たな混乱を招き、地域の安定を脅かす可能性があります。

清華大学国際安全保障戦略センターの研究員である孫成豪氏は、この点について「トランプ大統領は第1次政権時も中国と高レベルでの会談を行ったが、その後の強硬な立場には影響を与えなかったため、外交会議の象徴的な価値を過大評価してはならない」と述べています。

実際、この訪問の成果が、貿易協定に達するか、あるいは経済競争が続くかにかかわらず、世界経済とアジアの地域政治における未来を形作る可能性があります。今回の訪問は、力、貿易、そして外交が絡み合う新たな競争の場を象徴するものとなるでしょう。

 


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