ペルシャ語ことわざ散歩(44)「大きな碗の下に、その半分の大きさの碗がある」
9月 25, 2021 03:13 Asia/Tokyo
皆様こんにちは。このシリーズでは、イランで実際に使われているペルシャ語の生きたことわざや慣用句、言い回しなどを毎回1つずつご紹介してまいります。
今回ご紹介するのは、「大きな碗の下に、その半分の大きさの碗がある」です。
ペルシャ語での読み方は、Ziir-e kaase niim-kaaseii astとなります。
このことわざは、外見をごまかす、人を欺くために策略をしくんだり、からくりを弄すること、または何か裏がある、といった概念を意味します。
その昔、まだ冷蔵庫がなかった時代に、人々は特に腐りやすい食物を保存するのに、日本で言うどんぶりやお碗、またはボールのような入れ物に食物を入れ、その上にさらに大きいお碗を逆さにかぶせて、虫や埃がはいらないよう、また小さな子どもの手の届かないよう、地下室などの涼しい場所に置いていました。しかし、台所でいくつかのお碗やどんぶり状の器を保管する際には、大きな器の上により小さな器を順番に重ねていくのが普通ではないでしょうか。
そこで、特に台所で大きな碗が逆さに置かれているような場合、その碗の下により小さな碗があるというイメージが浮かぶことから、何か策略がある、誰かがからくりをしかけている、ということわざが生まれ、次第に人々の間に広まったということです。
このことわざには、冷蔵庫が登場する前の古い時代の生活様式が反映されているといえそうですね。それではまた。
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