2月 25, 2022 15:30 Asia/Tokyo

皆様こんにちは。このシリーズでは、イランで実際に使われているペルシャ語の生きたことわざや慣用句、言い回しなどを毎回1つずつご紹介してまいります。

今回ご紹介するのは、「この世は2日である」です。

ペルシャ語での読み方は、Donyaa do ruuz astとなります。

このことわざは、日本語や仏教思想などで言われる、人生や現世のはかなさ、無常観という概念に共通すると思われます。

イスラムの思想やイラン人的な考え方においても、現世の後の来世の存在が強く信じられており、特にイスラムでは現世での命を終えて来世に行く際に、現世での自分の言動が神によって評価され、それによって地獄に落とされるか、あるいは天上の楽園にいけるかどうかが決まり、また最後の審判の日にすべての人々が生き返る、と信じられています。

また、現世での生活よりも来世での命のほうがはるかに長いことから、このことわざを使って、現世は短いのだから、不平不満や悲しみを抱いて人生を過ごすのではなく、また他人の過ちや悪事を必要以上にとがめすぎず、許すという行為を身につけること、現世での富や名誉、ステイタスなどにとらわれ過ぎてはならないことなどがよく言われます。「この世は2日だけ、こんなことにこだわるな」という言い方もよく聞かれます。

コロナ危機によって、つい2年ほど前の世界と現在の世界の様子がガラリと変わってしまったこと1つをとっても、まさに世の中は常に変わり行くものだということがまざまざと感じられたのではないでしょうか。

日本語のいろは歌にも詠まれているような概念は、イランやイスラムにもある意味で共通しているようです。これからは特に、世界のいずれの場所であっても、浮世や無常観を常に念頭において行動していく必要がありそうですね。それではまた。

 


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