4月 29, 2022 14:30 Asia/Tokyo

皆様こんにちは。このシリーズでは、イランで実際に使われているペルシャ語の生きたことわざや慣用句、言い回しなどを毎回1つずつご紹介してまいります。

今回ご紹介するのは、「私たちの手は短い、ナツメヤシは木の上にある」です。

ペルシャ語での読み方は、Dast-e maa kuutaah vo khorma bar nakhiilとなります。

このことわざは、イランが生んだ大詩人ハーフェズの作品の一部から来たもので、本来はこの表現の前に詠まれている「私の足はびっこで、家はまだ遠い」という一篇ととともに対句を形成しています。

この表現が意味しているのは、自分の目標や目指すものなどが遠くに見えるが、そこにたどり着く、手に入れるための手段がないため、遠くから羨望のまなざしで見つめている状態だとされています。日本語で言えば、「高嶺の花」、「日暮れて道遠し」といったことわざに近いと思われます。

ナツメヤシはイランの重要な農産物の1つで、外国にも輸出されています。ナツメヤシの樹木は成熟すると地面からの高さが20メートルを越えるものもあるそうです。ナツメヤシの実は木の上の方に実りますので、その状態を思い浮かべていただければ、なんとなくこのことわざの意味が想像できるのではないかと思います。

イランは決して砂漠だけの国ではありませんが、砂漠もイランの自然の重要な一翼を担っていることが、このことわざから見て取れるのではないでしょうか。それではまた。

 


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