コーランに感銘受け改宗した元極右主義者が語る思い
西側諸国は現在、表現の自由を道具にしてイスラム教とイスラム教徒を否定する大規模なプロパガンダを行っています。しかしその一方、コーランを深く知ることでイスラム教に改宗する人の数は、日毎に増加しています。
このような改宗者らがコーランを研究しようとした最初の目的は、イスラム教とその聖典・コーランへの敵意や嫌悪の根拠をはっきりさせようというものでした。
しかし、コーランの素晴らしい教えを公平かつ偏見をまじえず研究すると、その大半の者がコーランの記述内容の正しさを信じ、さらに一部の者は、イスラム教への改宗を決意したのです。
そのような改宗者の一人に、オランダの元極右政治家ヨラム・ファン・クラヴェーレン氏がいます。
彼が語るイスラム教に傾倒するまでの話は、実に興味深いものです。クラヴェーレン氏は、反イスラムをテーマとした本を執筆している最中に、イスラム教徒への見方を変えました。
同氏は、次のように語っています。
「私は政治家として長年、イスラム教と戦うためにあらゆることをしてきました。(隣国ベルギーで2015年にイスラム過激派テロリスト摘発と射殺事件が起きた際には)オランダの全学校を休校させる決定のために動き、国内のモスクを閉鎖させコーランを禁止しようと努めました」
「私はかつてイスラム教について、世界で最も多くの人を殺す政治イデオロギーだと喧伝していました。議員を辞めた後には、夢だった反イスラムの本の執筆を始め、この本のために、イスラム教について調べ始めました」
「(調べていく中で)私が知った多くの真実は、イスラム教について私が考えていたあらゆることと相反しており、私の頭の中には新たな疑問が生まれました。しかし、自分が書いている本の内容が事実であってほしいと思う私は、複数のイスラム学者に会って質問をぶつけてみることにしました」クラヴェーレン氏は、さらに次のように続けています。
「反イスラムの本を書くために私が行ったイスラム教についての探求は、神についての探求に変わっていきました。私は、(神について)キリスト教で抱いた複数の疑問の答えを、イスラム教から得るようになりました。最終的に私が本に記したのは、(イスラム教の預言者)ムハンマドが神の真の預言者であるということの正しさについてでした」
「ムハンマドの人生や人となりを調べるのには何か月もかかりましたが、私はそれ以降、彼が真に神に使わされた者であることを完全に確信しました。私は以前より神を信じていましたが、イスラム教は全く信じていませんでした。しかし、ムハンマドが神の使わされた預言者であると認めるに至ったことで、私はさらにイスラム教へ近づいていったのです」
「それでも、私の抱いていたイスラム教への嫌悪感は依然として拭われておらず、イスラム教に改宗したいとは思っていませんでした」
「ここからは作り話のように思われるかもしれませんが、私が本を書き終えた後に本棚を整理しようとした際、そこから本が何冊か下に落ちて来ました。そのうちの一つがコーランで、それを拾ったとき、私の親指がハッジ章の第46節に触れたのです」
「『本当に盲人となったのは、かれらの視覚ではなく、寧ろ胸の中の心なのである』。(このハッジ章第46節の文句は)まさに、私がぶつかっている問題でした」
「私は、真実を読んだり目にしたりすることができても、それを真に理解できていませんでした。問題があるのは私の目や理性ではなく、心や感情だったのです。私はイスラム教が本当の宗教だと(頭で)分かっていたのです(が、心や感情が邪魔していたのです)」