北朝鮮;「戦術核運用部隊の訓練指導」、最近のミサイル発射について
(last modified Mon, 10 Oct 2022 04:44:26 GMT )
10月 10, 2022 13:44 Asia/Tokyo
  • キム・ジョンウン朝鮮労働党総書記(アーカイブ写真)
    キム・ジョンウン朝鮮労働党総書記(アーカイブ写真)

北朝鮮の朝鮮中央通信が、去る9月25日以降に行った7回にわたる弾道ミサイルの発射について、「戦術核運用部隊の発射訓練だった」と報じました。

韓国ヨンハプ通信によりますと、朝鮮中央通信は10日月曜、さらに「キム・ジョンウン朝鮮労働党総書記がいずれも現地指導した」としました。

この時、キム総書記はまた、日米韓の共同訓練などを念頭に「今も敵たちのあわただしい軍事的行動が感知されている」とし、「米国と南朝鮮(韓国)政権のこうした持続的かつ意図的、無責任な情勢激化行動はわれわれのより大きな反応を誘発するだけだ」と指摘しました。

そして「敵たちは軍事的威嚇を加える一方で対話や交渉をうんぬんしているが、対話する内容もなく、必要性も感じない」と述べ、非核化などを巡る韓米との対話を拒んだ形となっています。

朝鮮中央通信はさらに、去る9月25日に貯水池の水中発射場で戦術核弾頭の搭載を模擬した弾道ミサイル発射訓練を行ったとし、ミニ潜水艦発射弾道ミサイル・SLBMを水中から発射する様子を収めた写真も公開しています。

そして、同28日の弾道ミサイル発射は、戦術核弾頭で韓国の飛行場を無力化させる訓練だったとし、日本の上空を通過した今月4日の中距離弾道ミサイル・IRBMについては「新型の地対地中長距離弾道ミサイル」だったとし、4500キロ離れた太平洋上の目標水域を打撃したと報じています。

そして、9日日曜未明のミサイル発射は「敵の主な港への打撃を模擬した超大型放射砲の射撃訓練」だったと伝えました。

北朝鮮の今回の訓練は、核兵器の開発などを進めて核能力を一層強化していく姿勢を明確にしたものとみられ、この先、小型核弾頭の開発と威力向上を目的に7回目の核実験に踏み切る可能性が一段と高まっています。

朝鮮半島では韓米などと北朝鮮が強硬姿勢で対峙(たいじ)する局面が続くとみられ、北朝鮮の挑発の度合いによって一段と対立が激化することが予想されます。

なお、日本の岸田首相は9日、最近の北朝鮮のこうした行動について「9月末からの短期間だけ考えても今回で7回目」と述べ、「私からは、情報収集、情報提供、安全確認を徹底するように指示した」と強調しました。

その上で、「引き続き、今後の北朝鮮の挑発行動については注視していかなければならない」と警戒感を示すとともに、「日米、日韓、日米韓といった関係国との関係も密にしていかなければならない」とコメントしています。

 


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