中国外相、「米の誤った言動で関係が悪化」
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中国の秦剛外相と米国のバーンズ駐中国大使の会談
中国の秦剛外相が8日、米国のバーンズ駐中国大使と会談し、一連の「誤った言動」によって冷え込んだ中米関係を安定させることが急務との見解を示しました。
ロイター通信によりますと、中国外務省が発表した声明文で秦氏は、台湾問題への対処是正を要求したほか、「一つの中国」原則を空洞化させる動きをやめるよう求めました。
両国の関係は昨年、ペロシ米下院議長(当時)の訪台で冷え込みましたが、11月に習近平国家主席とバイデン米大統領が会談し、より頻繁な対話で合意したことで緊張は緩和されました。
しかし秦氏は「それ以降米国による一連の誤った言動により、苦労して得られた中米関係の前向きな勢いが損なわれた」と指摘し、合意した対話と協力の取り組みは中断され、両国関係は再び氷のような状態になったと述べました。
その上で、中米関係の安定化と下降スパイラルの回避、偶発事故の防止が極めて重要と訴えました。
バーンズ大使は秦氏との会談について「米中関係の課題や、関係を安定化し、ハイレベルな意思疎通を拡大する必要性について協議した」とツイッターに投稿しました。
中国はこれまで、台湾における米国とその同盟国の挑発行為、および最近の台湾総統の米国訪問や外国当局者の台湾訪問などの行為が、「1つの中国」の原則に反することを常に強調してきました。
先月、台湾の蔡英文総統が訪米し、マッカーシー下院議長らと会談したことで、台湾と中国の緊張関係は再度激化しましたが、中国軍はこれに対抗し、台湾海峡で3日間にわたって軍事演習を行いました。
台湾問題に関してバイデン米大統領は、台湾海峡で戦争が起こった場合、米軍は台湾を防衛すると繰り返し表明しています。


